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山形のゆるキャラ大集合!つや姫スナック

MNHの小澤です。

2012年3月に「東北に若者の雇用をつくる株式会社」を立ち上げ、山形進出に踏み切った直後。ありがたいことに山形銀行が、地元企業との商談会を開いてくれた(*1)。

そのうちの1社が、蔵王米菓さん(*2)だった。

もともとMNHでは「山形だからお米の商品がいいだろう」と、米菓メーカーを希望していた。工場で大量生産ができる規模でありながら、MNHのような小さな会社ともつき合ってくれる(かもしれない)蔵王米菓さんは、まさに理想のパートナーだった。


ぼくらは「蔵王米菓さんとつき合うにはどうしたらいいか?」と鼻息を荒くした。
ちょうど蔵王米菓さんが手がけ始めていたパフ菓子に目をつけ、社内でその商品企画に頭をひねった。しかし、なかなかよい案が出てこないまま、時が過ぎていった。

一方この頃は、かの「ゆるキャラ」が流行り出した時期でもあった。
全国の市町村が独自のキャラクターを掲げはじめ、山形県にもいくつかのキャラクターが登場していた。

ぼくらもこれを意識し、山形県内でヒットを飛ばしたMNHの商品「つや姫団子」での感触もふまえ、アイデアを固めた。つまり、山形が誇る最高級米を使い『山形の各市町村のゆるキャラとコラボレーションしたつや姫のスナック菓子』を企画したのだった。

東京のよそものの商品企画といえど、地元のゆるキャラたちの知名度を上げるための商品企画であれば、首を縦に振ってくださらないわけがない。その期待どおり、話はうまくまとまり、商品化に至った。

で、この商品。
一言でいえば「パッケージに価値をもたせた」企画だ。

パッケージの全面に「桃色ウサヒ」「ペロリン」「じゅっきーくん」などの7種のゆるキャラのイラストがプリントされている(*3)。それぞれ山形の違う市町村のキャラクターながら、売り場でこれらが一堂に会するというのが、販促の肝でもあった。

つや姫100%おこめのスナック

ちなみにターゲットは、山形出身の帰省客。
毎年、盆暮れ正月に戻ってくる彼らに、ちょっと目新しくて郷土愛をかき立てるお土産を提案したのだ。いろいろなキャラを集めて買っていただけるよう、個々が小袋で手ごろな価格帯にした。

余談だが、何に苦労したかって、ゆるキャラたちの使用許諾だ。
詳細な申請書を作って各自治体の窓口に提出しないといけないのだが、これがまた面倒くさいのなんのって…。さらにそれをかったるそうに受理する担当者を前に「使ってもらってなんぼじゃないのか?」とツッコミを入れたい一幕もあった。

こうして売り出したつや姫スナックだったが、結局そこそこ売れたのではないだろうか?

そして我々としては、何を置いても、蔵王米菓さんとの出会いが最大の宝となった。
このつながりにより、今やMNHの柱事業である、人型スナックの着想へと広がっていくのである。

(*1)MNHは、東北雇用設立時に、山形出身の東京で活動する女性たちによる団体・GLY project(Girl loves yamagata )のメンバーとつながりを持っていた。彼女らに山形銀行の本部の方を紹介してもらっていた。

(*2)せんべい、パフ菓子、ぽんせんなど米菓を製造をしている企業。ピジョンや和光堂の赤ちゃんせんべいなどのOEM製造も手掛ける。後にハロウィン限定で販売するMNHの「ゾンビスナック」も製造していただくことになる。

(*3)朝日町の「桃色ウサヒ」、県産農産物のシンボルキャラクター「ペロリン」、蔵王温泉キャラクター「じゅっきーくん」、米沢市の直江兼続マスコットキャラクター「かねたん」、寒河江市さくらんぼの妖精「チェリン」、JA天童のマスコットキャラクター「ランス君」、山形市のお宝観光大使「花笠べにちゃん」の7アイテム。


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