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ヒーローマスクで販売したらおもしろいんじゃない?

MNHの小澤です。

リアカーで山形庄内野菜を行商することを検討していた時期に、ちょっとしたこぼれ話がある。
当時ぼくと菅会長は、ある談義を重ねていた。

「被り物をすると違う自分になれる」


そんな話を聞いたことがあるだろうか?
素性を知られてないので、自分が出しやすくなるのだという。

要は、いっときでも違う自分になれるのは単純に気持ちがいい。なぜか堂々としていられる。
コスプレにはまる若者の深層心理も、似たようなものだと思う。

一方で、田舎のしがらみはこれとは逆だ。
田舎で育つと、地域の人や同級生、友達が自分の過去をすべて知っている。
いくら成長過程で自分を変えたくても、周囲の目から自分が固定化されてしまい、なかなか突破できない。

たとえば小さい頃に劣等感を抱えていた若者が、成長過程でどんなにがんばっても、「どうせ周りにはダメな奴だと思われているだろう」と閉塞感を抱き、高校デビューや大学デビューのようなことがしづらいのだ。

そんないかんともしがたい人間の性(さが)がある中で、被り物をかぶれば、別の自分になれるという。これは自己実現の観点において、あんがい重要なヒントになるのではなかろうか?

例えば、創業当初から障がい者の労力を取り入れてきたぼくらは、社会にうまく適応できない引きこもりの人や、発達障害の人が「どうやったら本来の力を発揮できるか」を考えてきた。
仮に何か着ぐるみや被り物をきたら、「自己肯定感」が高まり、その瞬間だけは本来の力を発揮できたりするのではないだろうかーー

ぼくと会長はその当時、そんな話をど真面目にしていた。

そんな時に、だ。
MNHに入ってきた社員の中に、戦隊ものが好きな青年がいた。
当時はゆるキャラに続き、「ご当地ヒーロー」というのが流行っていた時だった。
そしてなんと彼はそれをやっていたのだった!

ちょうど庄内野菜の行商をはじめようとしていたぼくらは、「これはおもしろい!彼にヒーローマスクをして野菜を売ってもらおう」と着想したのだった(笑)。

しかし、これは結果的に実現しなかった。
被り物をした輩などが野菜を売っていたら、単純にかなり"怪しい"。下手すりゃ警察に通報されるかもしれない。何とか怪しまれずにできないものか、と考えてもみたが、結局その答えも見つからなかった。

ちなみにSNSなどで自分を自由にブランディングができる今の時代だったら、被り物の大義名分を世に発信しながらうまくできたかもな、と思うところもある。

そしてこの被り物のネタは、なかなか実現しないゆえに、ぼくらの中でいまだにくすぶり続けているのだった(笑)。





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