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実は使うと恥ずかしい!「なるほどですね」は間違った日本語

さまざまなシーンで聞くようになった「なるほどですね」という相づちを、使ったことがありますか?
20代くらいのいわゆる若者から、40代50代の人まで使っている年代もさまざまです。
特に、ビジネスシーンでよく聞くな、と感じる「なるほどですね」という相づちについてなぜ広まったのか、実は間違った日本語と言われるのはなぜか解説していきます。


「なるほど」をつかうシーン

「なるほどですね」という日本語は「なるほど」という副詞(感嘆詞)に「ですね」という語尾がついて、なんとなく丁寧な相づちという印象を与えます。
丁寧な相づちという印象があるので、ビジネスシーンでお客様や上司に使っても問題ないという認識が広まったという説が有力です。

副詞/感嘆詞:なるほど

辞書では、次のように解説されています。
・副詞「他人の言葉を受け入れて、自分も同意見であることを示す。」
・感嘆詞「相手の言葉に対して、その通りであると同意する気持ちを表す。」
(出典:goo辞書
辞書の内容を見てみると、ビジネスの場でよく聞かれる「なるほどですね」は共感する時に使用されている印象がありませんか?
そのため、感嘆詞としての「なるほど」を使用していると言えるでしょう。

助動詞:です/ですね

「です」や「ですね」は敬語を使用する際に、よく使用する単語です。
「です・ます調」と言われることからもわかる通り、丁寧な言い回しをする際に使います。
上司や目上の先輩、取引先の方など多くの場面で使用する助動詞なので知らない方はいないでしょう。

「なるほどですね」という日本語が変な理由

上司や同僚が使っているから使っている人や、聞き馴染みがあるので使っている人も多い「なるほどですね」という相づち。
使っている人の中には、違和感もなく何が変なのか分からないと思っている方も多いでしょう。
では、なぜ「なるほどですね」は変な日本語と言われているのでしょうか。

感嘆詞+助動詞という違和感

それぞれの単語について解説した際に、「なるほどは感嘆詞として使用されている場面が多い」とお伝えしました。
そのため、「なるほどですね」という単語は"感嘆詞+助動詞"という構成でできた単語ということになります。
感嘆詞とは、「こんにちは」などの挨拶や「なんと」「はい(応答)」といった感動など、「『感嘆(感心や感動)のあまり発する言葉のこと』、または、『感動詞(間投詞)の別名』」のことです。(出典:weblio辞書
「こんにちはです」「はいです」という単語が不自然であることは、読んでいてもわかります。
これらの例と同じで「なるほどです」「なるほどですね」という単語は日本語的には不自然なのです。

「なるほどですね」が広まった理由

では、なぜ「なるほどですね」という誤った日本語が広まったのでしょうか。
実は、広まった理由については定かになっていません。
ただ、「メディアでの使用」が理由ではないかといわれています。
子どもが親や兄弟、友人の口癖がうつっていることがあるように、観ているテレビ番組で使用されていた「なるほどですね」がうつってしまったということです。
例えばドラマやアニメなどで、「なるほどです」が口癖の役(キャラ)がいる作品を観ていていつの間にかうつってしまい、その口癖がさらに多くの人に広まっていったと考えられます。
使用する頻度が高くなったことで違和感のないものとして認識され、ビジネスシーンでも多様される原因になったのではないでしょうか。

「なるほどですね」に代わって使いたい相づち

「なるほどですね」「なるほどです」が敬語ではないのであれば、どのような相づちをすると良いのでしょうか。
一緒にみていきましょう。

相づちなら「はい」

一番基本的な相づちである「はい」は、誰しもが使える言葉です。
相づちとしては、端的で相手もきいてもらえていると感じる言葉ではないでしょうか。
ただし「はいはい」という使い方は失礼に感じる方も多いので、ビジネスで使用するのは控えましょう。

同意なら「おっしゃる通りです」

相手の発言に対して同意を示す言葉としては、「おっしゃる通りです」があります。
少し固いと感じ表現かもしれませんが、相手の発言に対して同意していることが伝わる言葉です。

理解を示したいなら「左様でございますか」

相手の発言を理解したことを伝えるには「左様でございますか」という言葉があります。
話を聞いたうえで、相づちを打っていますよという意思表示にもなりますのでぜひ使ってみてください。

納得なら「承知しました」

指示されたことなどに対して「承知しました」と使っている場面に遭遇することはあるかと思いますが、納得したことに対して「承知しました」を使います。
この表現は、会社で上司に対しても使っている人は多いのではないでしょうか。
似た言葉で「了解しました」という表現がありますが、こちらは少しカジュアルな表現なので使用する場面には気を付ける必要があります。

おわりに

「なるほどですね」という言葉は、調べてみると相づちだけではなく同意や理解を示す場面でも使用している人が多いことがわかりました。
聞きなじみがあり、違和感がほとんど感じられない単語でも日本語の文法に沿うと変な日本語になることがわかったのではないでしょうか。
社会人になっても誤った日本語を使っていると、大事な場面で不利に働くことは多々あります。
せっかく日本に生まれたのですから、最近できた日本語だけではなく文法などを知ったうえで違和感のない日本語を使ってみませんか。





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