【#03】デザインに必要な情報を集める
「目標」を決めることができたら、次は「可能な限りの情報や条件を洗い出し、方向性を決めて目標に叶うものをチョイスしていく」という段階に入ります。
ズバリ「情報集め」です!
自分の今の状況や、手にしている情報、手持ちの素材や集めるべき素材などを洗い出していきます。
デザインは情報の整理整頓と言っていますが、片付けのメソッドなどでも最初に自分の持っている服を全て出し、全体像を認識してから片付けに移りますよね。
全体像を把握し、現時点を確認することは、方向を定め、ブレずに進んでいくためには欠かせません。
この作業をやっていくと、こういう状態でここを目指すのだったら、この辺の情報を使ってこんな方向性にしたらいいんじゃないか?というだいたいのベストの方向性がイヤでも見えてきます。
見えてこないとしたら、それは何か足りない情報があるという合図です。
お腹が空いて何か食べたい!と思った時も、家の中や冷蔵庫にどんな材料があるのかを知らないと、何が作れるのか?何が足りないのか?外食に出かけた方がいいのか?そして自分の腹具合も知らなければ、ベストな判断がつきませんよね。
さらに、自分がどのくらい時間がかけられるかとか、お金をどのくらい使えるか?店はやっている時間か?などさまざまに考慮すべき要因もある。
自分が今一番何をしたいのかという目標を、ベストに叶える組み合わせをその中からチョイスしていく。
デザインも全く同じです!
つまりいつもやっていることを応用すればいいだけ。特別なことは何もありません。
クライアントさんからの依頼でチラシデザインをする場合、私はまず「載せたいと思っている情報を全部送って。使えそうな写真もできるだけ全部」とお伝えして、全体像を把握していきます。
さらに、その方の今まで使ったチラシや、ホームページ、ブログは必須として、SNSを拝見することもあります。
チラシを作ろう、という行動を起こさせた大元にはいったいどんな情熱があり、何を目指し望んでいるのか?という、依頼内容だけでは見えてこないその方の行動の軸になる部分を知りたいからです。
直接デザインにどうこうする部分ではないように見えて、実はとても大事なところで、ここを理解しておくことで、実際のデザイン作業になったときに迷わない一貫性を持つことができるんですね。
見当違いなデザインを提案する、ということも避けられます。
デザイナーがよく言われがちな「デザインを2、3パターン見せてよ」という要求。
相手の軸を知ってから情報を整理整頓していく、というデザインのやり方をしていくと、2、3パターン作るというのがいかに無駄な仕事かというのがわかります。
昔は何パターンものデザインが繰り出せるのがプロフェショナルなのだ!と思ってましたけどね(笑
画像などは、ブログやFacebook投稿などもチェックし、使えそうな写真などあれば保存します。
必要そうな画像が思い浮かべばフリー画像から選んできたりすることもあります。
キャッチコピーなどの言葉は、考えてひねり出すのではなく、その人の言葉や考えの中から拾い出してきます。
ブログやホームページをチェックするのもこのためです。
ウケる、売れるタイトルの文例などを参考にするのはオススメしません!
そういったものをつぎはぎして、口当たりのいいタイトルやキャッチにしても、いかにもでありきたりな薄っぺら感が付きまとうだけ。
どんなシンプルな言葉でも、その人の本心や誠実さに根ざす言葉というのは、テクニックではとうてい伝えられないものを伝える力があります。
そういう言葉は「考えだす」のではなく「見つける」だけでいいのです。
たとえばブログなどを読み返して、繰り返し出てくる言葉、感情が動いた時に発している言葉、印象的な言葉など。
自分の情熱のあるところを語るときは、同じようなことを何回も語っていたり、同じ言葉や言い回しを使っていたり。
そこが自分にとって大事なところだからこそ繰り返し口にする、つまりすでに「重要」というフラグが立っているので、それを目印に。
私の場合、キャッチコピーやタイトルはほとんどその人が口にした言葉や文で語る中から見つけてきたものです。
デザインにセンスが必要ないように、言葉についても、広く信じられているほどにはテクニック的なものは特に必要ではないのです。
他にも集めるべき情報としては、チラシに掲載する情報以外には、どうやって必要とする人の手元に届けるつもりなのか?とか、いつまでにやる必要があるか?とか、前提条件のようなものも確認することが情報収拾になります。
デザインする、というとデザインに使う具体的な素材だけを集めることに意識が向きがちです。
しかし、そのデザインのよりどころとなる軸や、使われる状況や条件といった、目に見えない情報についても洗い出しをすることがほんとに大事。
このあとの作業を助けてくれるものになりますから。
クライアントさんにとってあまりに本音を明らかにしすぎた方向性となり、拒否される、という経験もいたしましたけれど。。。(汗
次回は、集めた情報を具体的にチラシの中に入れる時に、最初にやらなければいけない「情報の優先順位を決める」ことについてです。
お楽しみにー♪
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