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【#01】デザインにセンスは不要!

はじめまして、ツールデザイナーの中條マキコです。

チラシを作ったり、デザインをするには「センス」が必要で、自分にはセンスがない、と思い込んでいる方はたくさんいます。

しかしよく聞いてみると、多くの人がセンスと呼ぶそれは、人と違う目新しい思いつきや大胆さ、他人には理解できないこだわりだったりします。

実は、それはデザインではなく「アート」


アートは、その人が表現したいものを、その人の考えるルールで表現するものです。

それは、どんな既存のルールにも縛られなくていいものです。

極端に言えば、時代に逆らっても同時代の人に受け入れられなくてもいい。

後世で評価されるようなものであっても、あるいは永遠に評価されなくても構わないものです。

わからなくても誰も困る人がいないのがアートです。


そして、センスという言葉。

センスは、大勢の人が素敵と思う価値観や好みにすぎないのです。

素敵と感じる共通認識が織り込まれてはいますが、その嗜好の方向はどっちを向いていても構わない。


しかしデザインは目的があり、その目的に達することが必要とされます。

私は、情報の交通整理技術のようなものと考えています。


ある枠組みの中で、必要とされている目的をハッキリさせ、対象としている人がその目的まですんなりと流れていけるよう、条件を整える仕事。

そこにセンスという個人の価値観や好みを入り込ませたら、実はデザインではなくなってしまうのです。


そして、その目的に達するために使うのは、ルール・決まり事です。

ルールにもとづいて情報を整理するからこそ、伝わりやすく、使いやすく、行動しやすく、わかりやすい、という結果が生まれます。


それも、誰も知らないまったく新しいルールを1から作り出すという、神様みたいなことは必要とされていません。(それをやったらこれはまた、アートになってしまいます)


ルールと言っても、使うのは実は誰でも知っている常識や、ある意味、自然の法則とでも言えるようなものです。

私たちが普段見たり聞いたりする時に「わかるわかる!」「納得!」と思えるもの。

例えば水が上から下に流れる、光が当たれば影ができる、みたいな。

「自然とそうなるよね」と思えるようなすでにある当然の決まり事を見つけ、それに基づいて交通整理をするというのがデザインなのです。

そういうものに基づいているからこそ、整えられた条件に沿って自然と目的まで流れていくことができる結果が生じるのです。


人間社会の中で誰でも予想がつけられるようなルール。

そういった、すでに誰でも手にしている情報をどうやって使えばいいのか?を知ることが、デザインができるようになる道筋だと私は思います。

この記事も含め、全12回で、いったいどんなふうに「センス不要」なのか?というところをお伝えしていきますね。

そして読んでいくうちに「自分にもデザインてできそう!ちょっとやってみようかな」と、思っていただけたら嬉しいです。


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