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【#11】色のルールを利用する

センス不要のデザイン講座、11回目は「色」です。

デザイナー未満の方が色で悩むケースの問題は「色の使いすぎ」によるものがほとんど。

プロのデザイナーの多くは、使う色の系統や全体の色味を決めるところからスタートします。

たくさんの可能性のなかから「この範囲で作る・これを使う」という大枠を決めてしまうわけですね。

とは言ってもその基準は、自分の好みや趣味ではなくて、そのツールがどう使われるか?いつ使われるか?どんな効果を出したいか?などを考慮し、それならこの範囲が妥当、という判断のもとに設定していきます。


そうやってその自分の設定したルールにしたがって作るからこそ!選択肢も限られてきて、迷いも少なく、作るのも楽、そして効果的なものが作れるというわけです。

誤解を恐れず言えば、プロはラクの仕方を心得ている、と言えるかもしれませんね。

ルールを自分で設定していくと言うと、自分で何もないところから全てを決めていく=プロの技、クリエイティブで難しいと思いがちですが、これも全くの誤解!

すでにある常識やルールという選択肢の中から、自分の目的を叶えるのに役立つルールを選ぶのが、ルールを設定するという意味です。

自分が知っている、納得できるルールに選んでそれに沿って色を使う、これならデザイナー未満の方でもできるはずです。

色選びの手がかり

まず色選びの手がかりのひとつとしては、「伝えたいメッセージ」に合った色を選ぶ、というやり方があります。

色には多くの人が共通して受け取る「感じ」「イメージ」というものがありますよね。

たとえば「赤」は激しさとか強さ、「緑」は安全や健康、「水色」は自由さや開放感など。

たぶん、読書会や瞑想WSのお知らせに、真っ赤なチラシを作る人はあまりいないでしょう。

子供向けのイベントチラシならば、レインボーカラーで楽しげな感じを演出するとか。
言われれば多くの方が、見たこともあり、納得もできるものだと思います。

たとえば「夏休み」「子供」「チラシ」などで画像検索してみてください。たぶん検索結果に多くの共通項が発見できて、参考になるはずです。

ぜひ、多くの人が「あ、それね!」と安心できる常識=ルールを利用してみてください。


自分のイメージカラーを決めているならば、それを目立つように使うという手もあります。

また、シーズンも色で感じさせることができるので、季節のイベントならば取り入れてみることをオススメします。

夏なら空色、秋なら枯葉色やボルドー、年末は真紅と緑、年明けならば白と朱、4月の新入学がらみでと考えるなら、春っぽいフレッシュなイメージで、これは少し青みの入ったピンクなどが使われます。

チラシにオススメの色使い

とはいうものの、私の一番のオススメは、モノクロ+1色or2色で作る、というやり方です。

チラシの目的の一番は、相手が知りたい情報をわかりやすく整理整頓して届ける、ということ。
そこを重視する場合は、色に頼らないという手も大変有効なのです。

やり方としては、まずモノクロで全部作ってから、ひとつ色を選び、講座タイトル、日にち、問い合わせの電話やメルアドなどの目立たせたいところだけに色を使います。

とは言っても、色のお話で、色を使うな!というのではつまらないですよね。
色をたくさん使いたい!という場合の考え方もお話しておきましょう。

チラシの中でたくさんの色を調和させる方法

色をたくさん使う場合も、やはりルールに従って使うことで統一感が出せ、色使いが情報の邪魔をしない使い方をすることができます。

参考にしやすいものをひとつご紹介しましょう。

その色がブルーベースかイエローベースか?というわけ方で大きく2種類に分けるという方法、よくパーソナルカラー診断などで使われている色の分け方です。

その人のの髪の色や目の色肌の色などに合う色味を4種類に分け、四季の呼び方でカテゴライズしてファッションの参考にする、というメソッドですね。

たとえば同じ「赤」のくくりで呼ばれる色であっても、ブルーベースだと紫っぽくなり、イエローベースだとオレンジっぽくなります。

赤をいくつか使う時、この両方を一緒くたに使うと、なにか落ち着かなさを感じさせるんですね。

その落ち着かなさを利用することもあるので、絶対に使わない組み合わせ、とかではありませんが、計画性なく使ってしまうとそのちぐはぐさが気になって、本来の情報を伝えることの雑音となってしまいます。

このブルーベース、イエローベースというのは、例えて言えば色の出身地みたいなものでしょうか。

同じ赤でもベースの違う色を使うと違和感が出てしまう、しかし赤と青を使う場合は、同じベースの色を使うことで違和感を感じにくくなります。


これをチラシの色使いに応用すると、大きく目立って使いたい色(例えば講座タイトルの色や、バックの色)が、どちらベースかを確認します。

自分が使いたい色がブルーベースだったら、他に使う色もブルーベースの中から選びます。

黒やグレーでもこのブルーベース、イエローベースがありますから、そこも使い分けるといいでしょう。

パーソナルカラーで検索すれば、スプリングの人に似合う色味、などと色の一覧が出ているはずなので、その色味を参考に。

ウインターとサマーは同じ系統のブルーベースなのでこの二つのカテゴリの中なら、使いたい色を自由に選んで使って大丈夫です。

イエローベースは、スプリングとオータムですね。
自分の使いたい色がどちらに入っているかをまず調べてみて、その系統の色を使ってみるのがいいでしょう。

とはいっても自分がそのチラシを気に入る!自信を持って使える!というのが一番大事。

出来上がってあまり気に入らないようだったら、色のカテゴリ分けにはこだわらなくて大丈夫です。

困ったら好きな色を使いましょう。色使いに正解はありませんから。

そして目的はあくまでも、チラシを使って仲間を探すことですから!


あとの方法としては、自分がいいなーと思ったチラシの色使いを真似する、ということですね。

おしゃれ、と思うのもその人の解釈、なので、自分がおしゃれと思ったものを参考にするのがベストです!


チラシに必須!色チェック方法!

最後に、何色をどれだけ使うにしても、必ずするといいチェック方法をお伝えします。

出来上がったチラシ画像を、グレースケールに変換するか、あるいは彩度を落として色のない状態にします。

その結果、バックの色と馴染んで読み取りづらい文字があるようだったら、そういうところはバックの色と文字の色とのコントラストをつけるように、どちらかの色を変えます。

もう一度グレースケールにしてみて、文字がぱっと読み取れるようならばOKです!


こういった配慮は、色覚異常や老化した眼に対する特別な配慮、と思いがちですが、そうではない人にとっても確実に読み取りやすさがアップする、全ての人に対する配慮と言えるのです。


さて、いかがでしたでしょうか。
ご自分が納得して手にし、自信を持って動けるような、素敵なチラシが作れますように!

次回は最終回「チラシの王道デザインとは?」です。

お楽しみに!

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