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【#10】人が行動を起こす時のルール

デザインするときに「人が行動を起こす時のルール」を知るべき理由。

それは、チラシが「申し込み」という行動を人に起こさせるものでなくてはならないから。

世の中ではそのテクニックとして「煽って行動を促す」ということが言われますが、煽らないと買ってもらえないようなものをそもそも売ってはいけません。(笑

視点を変えれば「今だけ」「あなただけ」「これだけ」という限定感を出して不安を煽らないと売れないしょうもない類のものであるとも言えるのです。


煽ることで行動を変えようというのは、つまり他人をコントロールしようということ。

それが、遊びとしてお互い楽しめるのならばOKですし、それでもチャレンジしたいというのも自由です。

しかし実際のところ、他人の行動を変えるというのは不可能なこと。

労力がかかって結果が出ない可能性が高い、あるいは消耗する可能性の高い方法だというのを心に留めておきましょう。


また、何か技術や知識を伝え一緒に成長していく、「お客さま」からはじまってかけがえのない仲前となるような人たちを見つけるための第一ステップとして考えるならば。

それにふさわしい人と、煽ることで集まる人とには相違があるのではないでしょうか?

自分が選んだ方法は、一体何を得られるものなのか?をよくよく確かめてから手段を選びましょう。


それではどう行動を起こすルールを利用するのか?

それは

「申し込みたいと思っている人を迷わせず、邪魔しない。」

相手の行動をエスコートすることこそがデザインの役目。

実は本来のセールスも、それが本質なのです、説得や情を利用した押し売りはセールスとは言いません!


情報を提供する側、作る側というのは、どうしても全容がわかっているため「申し込みをしてもらうためのチラシを作ってるんだから、申し込みという行動をするのは当たり前」の行為だと思いがちです。

「次はこうしてくれるはず」「言わなくてもわかるだろう」と。


しかし実はその思い込みのためにいろいろと言葉足らずで不親切になっていり、また欲張って余計な情報を与え、迷わせてしまったり。

お客さまに「選んでもらう」という自由を尊重しすぎて、遠慮し、オススメしそこなってしまっているというケースもよく見かけます。


そういったところをデザインでどう気にかけていくかを、実際チラシの命である申し込み情報周辺で見ていきましょう。


たとえば、申し込み情報のベストの位置は「A4チラシの一番下エリア」とお伝えしましたが、このエリア。

どこに入れようかと配置に迷ったものを収まり良く入れるのに都合のいい場所なんですね。

でもその誘惑に乗ってはダメ!

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自分のブログアドレスやメルマガの登録情報、あるいは作った後に、これ絶対入れる必要があった!というものが発見され(例えば協賛団体名とか断り書きとかね)「ここでいいや」と入れるのはもう絶対にNG!

これは、美味しいピザが売りのレストランで、メニューを見ると横にリゾットやパスタがより美味しそうな写真で乗っていたり、街のオススメ情報などがたっぷり書いてあったりするようなもの。

ピザを頼もうと決めていても、迷ったり、気がそれたりするのは当然ですよね?


もし申し込みをしなかったとしてももっと詳しいことを知ったら申し込みたくなるかも?

メルマガに登録してくれれば次回は申し込みたくなるかも?

と考えるのもまた当然で、チャンスを逃さずに、と思われるかもしれませんが、そもそも必要な情報はそのチラシにつぎ込んだはず。

チラシに書かれた情報だけでは迷って申し込みができない人がいるとしたら、その人は今回あなたのお客さまではないということです。

お互いのタイミングでないものを引き止めるのは、エスコートではありません。

そうでなければ、あなたが載せるべき情報をのせていないのかのどちらか。



そしてデザインを仕上げた後になって「これも絶対に入れて欲しい」というものが発見されるということがままあります。

申し込み情報エリアは、申し込みをしてもらうための連絡先のみのスペシャルゾーン!そこは決して他の情報を入れてはいけません。

一番大事なそこで雑音を発生させてはダメ!そのエリアは死守してください!


また、エスコートしそこなっているケースとして、電話番号やメールアドレスだけを書いてあるケース、書いてあっても「お問い合わせ」としてあるケースなどがあります。

チラシに電話番号やメルアドが書いてあればそこが申し込み先だとういことはわかるはずなのですが、しかし!


なぜ、通販の広告では大きく電話番号が書かれているのにもかかわらず「今すぐお電話を!」と書いたり言ったりするんでしょう?

一言声をかけるかかけないかで、その人が行動を起こすかどうかは変わってきてしまうのです。

「どうぞあなたが今思っていることをやっていいですよ」と、安全を約束してあげる、これが煽って不安を掻き立てるのとは大きく違うところですね。


こういった行動を起こすときの当たり前は、考えてみれば自分自身思い当たることがあるはずなんです。

自分がお客さまの立場だったら、とよーく想像してみることがデザインにはとても大事。

よく想像するためには、特定の人である方が想像しやすいもの、つまりお客さまを徹底的に絞り込んである必要もあります。


相手の気持ちを考えてデザインする、というと、相手の行動に制限をかけたり、媚びたり、ということにも想像が働きますが、そうではなく。

相手が本当に必要としていることと、こちらが提供できることが一致して、共に歩める部分を探すのです。


イベントや講座のお誘いをして「時間がない」「お金がない」という断り文句を聞くことって多いですよね。

これって実は、口実にすぎないのです。

しかし、本人も口実だなんて思ってなくて、本当に時間がない、お金がないと思い込んでいます。


でも、本当に行く必要があると判断すれば、本当に超絶忙しくても人はズル休みして行くし、食うに困っていても借金していくものなんです。

その行動を起こさせるものは?

それは「共感」です。


共感して心が動くと、人は行動を取らずにいられなくなります。

人が何に共感するのか?と考えると、相手のの想いや目指すもの、技術などがあるならその有効性や効果などをチラシ内で最大限に、誠実に示すことで信頼感とともに共感が生まれます。


また他にも参加をためらう理由としては、これが本当に自分にとっていいのか、価値があるのか?安全なのか?などの不安で申し込みに踏み出せないという人たちもいます。

この人たちが行動するのに必要なのは「安心するための情報」

講座の内容がわかるたとえば写真とか、教える人の顔がわかるプロフィール写真とかは安心するための情報の一部となり得ます。


こう考えていくと「コレはデザインの邪魔になる」から入れない、見づらいけれどデザイン優先で、というチラシの作り方はありえないということがわかりますよね。

あくまでも主体はお客さま、チラシを見る人。

そして、全てを通してのキーワードは「安心・信頼・共感」

自分の安心安全を確認し、信頼でき、共感できた時に、人は動くのです。


さて、次回は「色のルールを利用する」です。

お楽しみに!

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