【#04】情報の優先順位を決める
デザインは、まず「目的」が必須。
そして次に必要なのは自分の現在地を知り、方向性を決めるための「情報収拾」。
さて、その次は?
その集めた情報の「優先順位」を決めること、です。
チラシに掲載する情報は、ある程度量のあるもの。その情報を一瞬で全てわかってもらうことはできません。
見やすい、理解しやすい、受け取りやすい大きさに切り分けて、ひとつひとつサービングしていくというやり方が親切ですし、多くの人が受け取りやすい方法です。
チラシデザインというと「目を引くこと」が強調して語られがちですが、そこだけがデザインやチラシの役目と勘違いしてはいけません。
目を惹くことさえできればそのあとは読んでもらえる、と、思っていませんか?
そして、読んでもらえれば本当にいいものだと言うことがわかり、申し込んでくれるはず、と。
これは、チラシづくりやデザインをする上での大きな勘違い!
目を引いたあと、内容を読む、という行動に移ってもらうところにも、目を引くのと同じくらいの工夫とサポートを必要とします。
実は、そこをチラシを受け取った人が当然自発的にやってくれるものだと思い込んで手を貸さないからこそ、あなたのチラシは読まれない、効果が出るものになってないのです。
商品が悪かったり、値段が高かったりすることが理由ということはほとんどない!と断言してもいいくらいです。
読む人が、内容をいい悪いと判断できる情報を受け取るところまで到達するのが難しいデザインになっているだけ。
そこを、当然やってくれるよね、と思わずに丁寧にケアするという、当たり前のことをやる。それだけで誰でも相手に届くものを作ることができます。
「丁寧にケアする」でやることは、これなら内容が読み取りやすい、納得しやすい、という順番で、受け取りやすい大きさに切り分けた情報を一つずつ手渡す、ということ。
動物園に行くと、園内全部が回れるコースが設定してありますよね。
提供したい情報についてのオススメコースを設定するようなイメージを持つとわかりやすいですね。
ゴールはもちろん「お申し込み」です!
私がチラシデザインをするときにいつも抱いているイメージは、レッドカーペット。
お申し込みというゴールまで続く赤い絨毯をどうエスコートしたら、気分良くワクワクとそこを歩いてもらえるのか?と考えながらデザインするんです。
A4サイズの紙上の世界にレッドカーペットが敷かれてるなんて考えるとワクワクしません?
情報を理解してもらいながら、申し込みというゴールまで到達してもらうには、進みながらいったいどんな情報を「どんな順番で」手渡していくか?考える必要がありますよね。
内容を理解しやすい順番は?ついつい次へと足を進めたくなる順番は?
掲載する全部の情報について、大まかでもいいですから、読む人が申し込みまえ歩みを進めることができる、情報提供の順番を考えてみてください。
ワークショップや教室の「タイトル」と「日にち・会場」は、どういう順番で目に入ってくるのがあなたのお客様にとっては理解しやすく、検討しやすく、ベストでしょうか?
講師の名前は?地図は?お客様の声は?自分の想いは?お客さまはその瞬間何を知りたいでしょう?
一般的な順番や王道のようなものはもちろんあります。
しかし、普通はこうだよね?ではなく、あなたのお客様となる人にとっては?あなたが伝えたいことにとっては?というところに立ってよーーーーく考える!!
それが本当に本当に大事です。
そこに、あなたらしさがでるし、これから関わるであろうお客さまへの扱い方や誠実さが全部現れます。
そういうものが根底にあるからこそ、デザインがイキイキして伝わるものになるのです。
デザインはただの手段ですから、命を吹き込んであげないとね。
一見エスコート、しかし読んでいる人の選択肢を奪い、コントロールしてゴールに追い込む、というものにはしてしまわないように。
この情報の優先順位を考えておくことで、「目立たせる」というデザインのテクニックに振り回されることがなくなります。
たとえば「タイトルは文字を大きくして目立たせるもの」というのは、こういうことを考えて出た結果だけをテクニックとして取り上げたもの。
踏み出した足の先にある石ころをどけておくのと、その人の足を持って無理やり一歩踏み出させるのでは、雲泥の差があります。
前者は私が考えるデザイン、後者はそれだけが一人歩きしたデザインテクニック。
どちらのデザインであふれた世界に住みたいでしょうか。
テクニックの詰まった一見カッコいいように見えるデザイン、可愛く見えるデザイン、口当たりのいいデザインは、自己陶酔型の個人的アートだと思います。
決して悪くはないしそれを作るのも選ぶのも自由ですが、選んだつもりがないのなら、まず選択肢を知ってみてほしい。
自分が本当に作りたいものを、作り上げていきましょう!
そして、自分にはその力があることを信頼してくださいね。デザインする能力は誰にでも備わっています。
次回から、デザインするときに利用するべきルールについて、ひとつずつ説明していきます。
次は、「人間の視覚のルールを応用する」です。お楽しみに!
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