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はじまりなんて考えたこともなかった。 ―『海のはじまり』の静けさを味わう

夏の月9ドラマ『海のはじまり』が、あたりまえにおもしろい。

何があたりまえなのか、どこから目線だ!と思われそうだけれど、このドラマがおもしろいのはあたりまえなのだ。『silent』『いちばんすきな花』という名ドラマで、さまざまな人の心に寄り添い、もやっとした気持ちを映像化して昇華してくれた、あの制作チームのドラマだからである。

あたりまえってすごいことだ。いま現在はあたりまえが継続されているだけであって、あたりまえじゃなくなる瞬間はあるものだから、今回のドラマもおもろくて、あたりまえが続いていて嬉しかった。

『海のはじまり』を第5話まで観ていて、あたりまえにおもしろくて、心に響いてくることに感動してしまう。これからも何度も思い出すであろう台詞を味わうたびに、感動してしまう。この夏、最終話まで大切に観るのだと思う。第5話までに味わって、感じたことを書いておきたい。


(以下、第5話までのネタバレを含みます)



イヤフォンとフィルムカメラ、無機質なものが伝えること


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