読書記録
群青/宮木あや子著
余命宣言を受けた由起子は療養の為、訪れた島で漁師の龍二と恋に落ち、子供を身篭る。娘/涼子を産んだ後、由起子は他界してしまう。そして数年が経ち、美しく成長した涼子もまた、幼馴染である一也と愛し合うようになる。結婚を許してもらおうと龍二を説得するが、龍二は首を縦にふらず、反対してしまう。一也は、認めてもらおうと島一番の漁師でもある龍二に反抗するかのように、深く海へ潜り、帰らぬ人となってしまった。そのショックからか、涼子は心を閉ざし、崩壊へと向かっていく。だが、そんな涼子の元に、幼馴染でもあり、島から出た大介が帰郷し、なんとか涼子を救おうとする。そして大介、涼子、龍二が辿り着いた先とは。
間接的とは言え、一也がなくなるきっかけを作ってしまった龍二だが、それも親心だったのだと思う。一也も涼子もまだ二十歳。親からすればそりゃ、二つ返事でどうぞというわけにはいかないよなーと。涼子の壊れっぷりも読んでいて痛かった。そして密かに涼子に想いを寄せていた大介もなんとなく不憫で苦しかった。それでも最後は救いが見えてよかった。若者の愛と苦悩。そして親子の愛憎。思わずため息でした。
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