読書記録

この嘘がばれないうちに/川口俊和 著

「コーヒーが冷めないうちに」シリーズ第二弾。
とある町にある過去に戻れるという喫茶店。今回はどうしても過去に戻りたい4人の男たちのお話。

1.『 親友』22年前に亡くなった親友に会いにいく男の話
2.『 親子』母親の葬儀に出られなかった息子の話
3.『 恋人』結婚できなかった恋人に会いにいく男の話
4.『 夫婦』妻にプレゼントを渡せなかった老刑事の話

今から告げる嘘は優しさではなくエゴかも知れない。誰かの為でなく自分の為の嘘かも知れない。

それでも不器用な人達が、愛する人を思ってついた嘘は、優しく切ない嘘だった。

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今回も切ない。嘘をついた理由は、誰かを傷つけまいとして、もしくは幸せを願い、貫こうとした不器用さから。そして嘘だとわかっても、嘘を真実として受け止める優しさと深さ。
よかれと思ってついた嘘がちっとも優しくなかったり、時には嘘をついてほしかったり。人ってやっぱりわがままで。でもこの4つの嘘には、お互いの信頼だったり絆があって、切ないけれど温もりがあった。

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