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『ザ・クラウン』で描かれたエリザベス女王を思ふ

犬好きの人には共通の性格があるという。例えば、犬は愛情表現がわかりやすいため、飼い主も同様に感情表現が豊かになるとか、日常的な世話が必要になるので、飼い主は世話好き、とかである。
先日(2022年9月8日)イギリスのエリザベス2世が亡くなったという。その性格について考えてみる。

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エリザベス女王といえば今年6月に即位70周年のプラチナ・ジュビリーが催され、その功績が讃えられたばかりである。Netflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』では女王の半生や、イギリス王室の人間模様が丁寧に描かれている。

なかでもエリザベス女王が、キャリアを諦めた夫(フィリップ王配)との夫婦関係に悩みながらも、「女王」の役割を忍耐強く務める姿(すがた)。一方、鉄の女と呼ばれたサッチャー首相は、自宅で会議を召集する際、エプロン姿でディナーの用意をしつつ、閣僚たちと仕事を進めるのだった。それぞれが「家庭」を横におきつつ、国事という仕事で関わっていく。宮殿では、二人が感情を押し殺し、緊張感のある会話が週一回執り行われていた。この謁見シーンは、キレがある。

ドラマでは二人の間には対立があるように見えた。しかし実際、女王が政治家の葬儀に出席したのは、チャーチルとサッチャーだけというから、実に重みのある関係ではないだろうか。

時に「女の敵は女」などと言われたりするが、(実際にそう感じることもある)それでもこの二人のような関係が築けたら、そんな言説を覆すことができるのかもしれない。

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エリザベス女王はコーギー犬を30匹以上飼っていたが、2015年ごろからは、子犬を増やすことをやめたという。自分が世を去ったのちに、新しい子犬を残したくないと言ったそうだ。天国でたくさんのコーギーたちと愛情いっぱいに暮らしてほしい。

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