デロンギと冷たくて温かいうどん
少し前にトースターが壊れた。
それを知った友人が家のデロンギを譲ってくれることになった。
ピザも焼けちゃうすごいやつだ。
とにかく想像力がケタ違いだ と思う。
私がこれを受け取って、段ボールのメッセージをみて歓声をあげて
いい香りに心が安らいで、手紙を観て胸がいっぱいになるように。
そこまでを想像しながらこれを梱包したんだと思う。
(いや分からん、無意識かも。無意識でそれができる人だ。)
彼女は分け与えることを惜しまない。
彼女は人のいいところを見つける名人で、それを様々な方法で伝える。
もらった手紙は目によく映るよう冷蔵庫に貼った。
そして大切によく使い込まれたデロンギは
なんかもうデニムとTシャツだけで様になる境地に達した人みたいだった。
分かりにくいか。
とにかく貫禄があるのに柔軟だった。
我が家にすぐに馴染んで、それでいて存在感がある。
使っていた人たちをよく写している。
私と私の道具たち(たとえばあの鉄のフライパンや木のまな板)も
いつかそうなっていけたら嬉しい。
彼女に習って、役目を終えた前任のトースターに
お疲れさまとありがとう、そして焼けたことを知らせる音が可愛くて好きだったことを言葉にして伝えた。
晩ご飯はうどんを粉から打ってみた。
以外と簡単だと感じたが、以前の日々に戻っても私はうどんを打ち続けるかは分からない。
うどんは冷たい水でしめた。
つけ汁は豚肉と茄子とパプリカを煮込み温かくして
食感が楽しいように大きめに切ったねぎを加える。
冷たくて温かいうどんは、今この季節にぴったりだと思った。