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もしも銀座ホステスがダイレクトレスポンスマーケティングを学んだら

とってもアナログなビジネスモデルの銀座クラブ。とはいえ、最近はSNSを利用した露出で、お客様へのアプローチ力が格段に広がりました。上手に活用すれば、バイラル的な効果が得られます。“ダイレクトレスポンスマーケティング”を学んだ銀座ホステスはアナログな世界でこの手法を取り入れる事が出来たら?!momoなりに考察してみました。

◆ダイレクトレスポンスマーケティングとは?ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing)とは、広告やWebサイトなどから発信された情報に反応する形で、返答(問い合わせなどの返事)があった相手に対して、直接的に商品やサービスを販売するマーケティング手法のことをいいます。一般的にはDRMと略されることが多いようです。

プッシュ型の営業とは異なり、何らかの自発的な反応をした消費者、すなわち将来的に顧客となる可能性が高い「見込み顧客」のみをターゲットとできるため、非常に効率がよいのが大きな特徴です。

◆最小の労力で最大のリターンを得る5STEPとは

一般的なDRMの3STEPを更に深堀りし、ゴールまでの道のりを以下の通りに具体化してみました。


①自己ブランディングの徹底化(魅力的なコンセプトの作り込み)
②店・SNSでリスト集め
③見込み客を教育
④オファー
⑤必要な作業を極限まで省エネ化


売れているホステスやキャバ嬢さんは、意識せずとも①〜④STEPはこなしていると思われます。⑤に関しては、見直す要素が”水商売”世界ではかなりあると思われます。では、一つ一つ手順を見てみましょう。

◆自己ブランディング/“自分キャラ”をとがらせる

売れている人は、他者と異なる「ブランディング=他との差別化」がめっちゃ上手いです。「○○と言えばあなた」という代名詞を作る。一番大事なのは、ストレスなくブランディング出来ている要素を検出し、極限まで、尖らせること。


【お水版・DRMノート#1/どんな“あなた”を売りますか?】






《どんな尖らせポイントがあるかというと・・・・・》
・洋服のテイスト
・好きなブランド
・好きなお酒
・好きなレストラン(具体的な名称)
・趣味/特技
・休日の過ごし方
・将来の夢/目標

MOMOの場合、赤ワインが大好きなので「MOMOさんといえば赤ワイン=赤ワイン頼んでいいよ」という刷り込みを行っています。

友達やお客様から良く言われる言葉も参考にしつつ、憧れの人物像も入れ込みながら“理想的な自分”を脳内イメージにインストールします。さらに、もう一つ書き出す要素はイメージした自分が”やらないこと”

【お水版・DRMノート#2/そのキャラクターが絶対にやらないこと】





例えば、凛としてクールなキャラクターを設定したのに、ピンクのフリフリな衣装を着た瞬間にイメージが崩れてしまいます。そして、重要なのは”売れる=お金を払う価値がある”、こと。マイナスな要素=暗い・怠惰・ルーズなど極力排除したブランディングを行うことも大切なのかな。

「水商売をやってみたいけれどエリアを決めていない」「お店を決めていない」という方は、ブランディング化した自分に合う条件で働くエリア・お店を決めてみましょう。自分のキャラクターに適する場の方が、成果が出るのは早いですし、居心地も良いはず。

(↓全くの個人の意見ですがご参考までに↓)
・銀座⇒清楚系・上品系・お嬢様キャラで売りたい人
・六本木⇒モデル・女優系のゴージャスさで売りたい人
・歌舞伎町⇒派手さと若さとノリの良さで売りたい人

◆店・SNS・LINEで集客する/”自分”を露出しまくる

次のステップでは、作り上げた自分を売り込み、見込み客=リストを集めていきます。あくまで見込み客の為、数を集めることを前提に窓口を最大限に広げます。お店では一席でも多く座り、名刺交換・LINEや電話番号を集めまくります。この段階では、(なるべく)好き嫌いは度外視する。ビジネスとして考える。人間どう化けるか分かりません。あくまで“数”重視です。

ブランディングとマーケティングを同時に仕掛ける事が出来るSNSは営業の強い味方になりましたね~。”一見さんお断り”の高級クラブでも、既存のお客様に「私のインスタグラム、(ツイッター・Facebook)フォローして下さいね♪」とアピールすれば投稿の度に自分を宣伝出来ます。

LINEのタイムラインも実は隠れたマーケティング・ツール。一度に何人ものお客様に自分のPRを送る事ができます。公開設定を送りたいアカウントのみにすれば、身内や友達にはタイムライン表示される事がないので安心ですね。

【コラム#1】ツールで顧客管理を徹底する
お客様の誕生日・来店日・好き嫌い・贈り物の履歴・話した内容・使ってくれた金額etc、データはあればあるほど自分を助けてくれます。
手書きで手帳やノートを利用しても良いですし、エクセルでしっかり管理すれば数字も追いやすくなります。ビジネスで欠かせない意識が“数字”。

・獲得した連絡先の数
・来店者数
・売上金額

更に掘り下げると、
・営業メールにかけた時間
・経費

記録する事で脳内が整理され、かつ分析する事も出来ます。どういった行動が売上に直結したのかが明確化され成功への最短距離になりますね。
momoも記録していない時代は”仕事”の意識が芽生えておりませんでした。何となくでも記録を重ねていくうちに、お客様への行動が積極的になり数字が上がって行きました。ここは、ショートカットNGのプロセスです。

◆見込み客を教育する

DRMでいう教育とは、自分の“理想的な顧客”へ近づける為に知識を植えつけていく事です。そこで、自分にとっての理想的なお客様の特徴をイザ書き出してみましょう。

お水版・DRMノート#3/理想的な顧客様像】





銀座ホステスだと、
・食事しましょうと言われたら同伴の事だよ
・週に最低1回は通ってくれたら嬉しいな
・休日は会えないし連絡もNGだよ
イベント期間は一瞬でも顔出さないと
・アフターに付き合ってもらったヘルプの子にはタクシー代渡さなきゃ

なんともムシの良い話、と思われるでしょうが(笑)どれも銀座では一般的なルールです。自分の教育次第です。では、どんなステップで教育をしていくか?

・適切なオファーをする
・オファーに対して同意してくれたタイミングで大喜びする=意識の植え付け成功
・こういう事をしてくれて嬉しかった話をする
・銀座セオリー(上記参照)を日常会話の中に入込む
・理想の男性像(顧客像)について普段から語る

例えば、「〇〇ちゃんのお客様で、こんな方がいて凄いなぁって思ったの。」的なヤツです。ただし、相手のタイプを見極めて教育する事がとっても大切。では、どうやって見極めるのか。それは、最初のオファーを出した時の反応です。ホステスでよくある最初のクリアすべき壁は“同伴”ですが、よくあるストレートなオファーは ↓ ↓ ↓


▶︎「今度お食事に行きませんか?」
▷「プライベート(土・日)ならいいよ‼︎」


残念ながらこの場合、「ホステスとはプライベートでは会えない」という教育から始めないといけません。その為、最上顧客への道のりはなかなか遠いと思われます。相手の背景=金銭力を十分に配慮し、投下する労力がリターンに値するようであれば、じっくり育て甲斐のある殿方です。マメにメールでコンタクトを取り、徐々に隙間を埋めていけば「こんなに連絡をくれるなら、一度くらい・・・」という機会が訪れるのを待ちます。

すんなり同伴が取れた場合、次のハードルは“リピート”です。
“(他にも女の子知ってるけど)○○ちゃんとは月に1回必ず同伴しよう”と思わせる教育です。

どんなコツが挙げられるでしょうか??
・同伴後の店内でヘルプについたホステスの前でお客様をめちゃめちゃ褒める(連れて行ってくれたレストランが素敵すぎた等)
・帰りにお土産を渡す
・具体的に行ってみたいお店を列挙する
・肉活と称して同伴をイベント化する

【コラム#2】月収20万円のサラリーマンでもターゲットになる
初めて働いた銀座のクラブの雇われママが常に言っていた言葉。
「私はねぇ、月収が例え20万しかないサラリーマンでも月に1回は通わせる自信があるわよぉ」

このママの教育プロセスはまずお店に足を運ばせる事ですが、休日に一度お客様のお付き合いでご一緒した時その神髄を拝むことができました。なんと手書きで来店の御礼文を一人一人に出していたのです。土日はその作業に追われる為、お客様とのアポの直前までせっせと仕事をしておられました。たとえお客様の枝(付き添い)で来客したであろう月収そこそこの若いサラリーマンに対しても同様です。

その甲斐あってか、若いサラリーマンが出世したのち「接待で使うクラブをココしか知らないから」という流れで、新規顧客が増えるという…その位の気概がないと一流のクラブママはやっていけないという話ですね。

◆オファーする/心地よくお金を払って頂く

同伴・来店確約のオファーが一つ目のマイルストーンとなります。メールや電話で自分の露出アピールをこまめにしながら、定期的に”オファー”を明確にすることが大事です。ここは、はっきり言わないと殿方は動きません。

デスガ、

オファーの頻度は気にしましょう!!

そこがDRMです(^^)!!”心地良く”というのは人それぞれです。

①SNSやメールでの宣伝に反応があった殿方だけにまずフォーカスしてオファーをします(インバウンド・セールス)
②反応の無い殿方には、オファーはせず宣伝活動にいそしみましょう

◆必要な作業を極限まで最小化/バイラルを起こす

後はいかに”テンプレート”化して、PDCAを回すか、です。
銀座クラブの場合では、ヘルプ&黒服スタッフを最大限に有効活用する事。個人経営のホステス業の中で、”全部自分で”は落とし穴。自分で無いとNGなタスクのみにフォーカスします。


例えば、お土産物・お歳暮・お中元の手配・同伴場所の手配は、喜んで黒服さんがやってくれます。またヘルプの女性を数多く囲い込めば、来店営業にレバレッジが効きます。


”大事なお客様を他の女性に任せられない!!”という感情にはふたをして(笑)一度流れに身を任せてみれば、少ない労力で最大限のリターンを生めるかもしれません。

【コラム#3】
momoがヘルプにつく女性のクオリティに悩んでいた時、アフター先でとある先輩女性ホステスに頂いた一言。
「そんなの、配席してる黒服を買収しちゃえば良いのよ。単純にさぁ、お金渡すのよ。例えばタバコ買いに行ってって一万円渡すじゃない?で、お釣りはね「取っといて」って言うのよ。そしたらさ、恩義に感じるじゃない?で、可愛いヘルプを付けてくれるわけよ。それ位の投資なんて、当たり前に思わなきゃ稼げないわよ。」

聞いた瞬間、脳内革命でした。物事の裏表を意識すること。何がキーポイントなのか、何に注力するべきか。受け身ではいつまで経っても壁を越えられないんですね。


以上、DRM的営業手法を「もしも水商売に召喚したら!?」という設定で考察してみました。まだまだアナログな銀座クラブの世界ですが、どこまで令和版に発展出来るのかを常に考えて本日もお仕事励んで参ります。

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