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大塚雅美
2024年1月15日 20:39
アイリは、机に座るでもなく、床に座るのでもなく、歩いていた。アイリッシュ通りの噴水は、いつも通り水を放っていた。『鯨』をかたどったこの町でできた最初の噴水。 歴史の教科書で、この街の人たちはみんな学ぶ。歩いていて思う。それは向こうからやってきて、とてつもない質量ではない存在であって、空気のように見えない。 アイリはその衝撃にうろたえたのか、噴水の淵に座って、空をぼんやりと眺めた。それは、
2024年1月16日 12:51
アイリは『太初の鯨』から、次のような文字列を発見した。 持っていたHDMIハブが壊れてしまった。わたしがキーボードで文字を打っているときに、ディスプレイが真っ黒になった。わたしは一見、書いていた小説が全くこの世界から消えてしまったのかと思った。 ディスプレイには「no signal please check...」と表示されて、消えた。わたしはmac bookに刺さっているハブを確認した。