ここ2年ぐらいで聴いてよかった曲を振り返る

この記事は某Discordサーバーの雑談アドベントカレンダー「音楽」に参加しています。

音楽系サブスクを使い始めて2年弱経った。
加入当初に作った、レコメンドされた曲・インターネットで誰かがおすすめしていた曲・好きなアーティストの知らない曲・新曲などを入れていくためのプレイリストも、1200曲を超えた。
あまりにも膨大になりすぎたので、改めてその中から特によかった曲たちをいくつか振り返ってみようと思う。
音楽のレビューというか思い出話になってたりするし、そもそもインターネットで記事を書くのも初めてなので、いろいろ大目に見てね。


『ブランクルームは夢の中』長瀬有花

永遠じゃなくていいよ 昨日と明日をつなぐ今日を

作詞・作曲・編曲:佐藤優介

今年知ったあらゆる物から第1位を選ぶとしたら、間違いなく長瀬有花さんを上げるぐらい好きなアーティスト。バーチャルシンガー事務所に所属し、
3Dとイラストのバーチャル形態と実写のリアル形態を使い分けて活動している。
普段こういう人の歌はあんまり聴かないんだけど、たまたま検索にヒットした『ヴィーナスとジーザス』のカバーが本当に良くて……あと『きらきら武士』も……
もちろんカバーだけじゃなくてオリジナル曲も名曲揃いで、その中でも今年9月にリリースされたアルバムに収録の『ブランクルームは夢の中』はすごかった。
独特なふわふわでとろける歌声とテクノポップの相性がとても良くて、真夜中の街を映したようなVHS調のMVと合わさって懐かしさと切なさが混ざった、まさに夢の中のような世界観がいい。
他にもいわゆる界隈曲の『白昼避行』とか、長瀬さんも大好きなチロルチョコ・きなこもち味の公式テーマソング『むじゃきなきもち』だとか、どんな曲調でもとろける長瀬ワールドが楽しめます。

『ある夜、僕は逃げ出したんだ』藤井隆

君のいない部屋に残った ピンク色の歯ブラシまで
あなたなんかにわからないと 言ってるようでたまらない

作詞:YOU 作曲・編曲:本間昭光

物心つくかつかないかという頃から親に藤井隆の『ナンダカンダ』を聴かされて育った、という過去があるため、自分の好みの奥底には藤井隆がいる。もちろんブラックビスケッツとKOJI 1200もいる。
という訳でサブスクで藤井隆の初見の曲をいろいろ聴いて回ったところ、一番好みだったのが2004年リリースのシングルB面『ある夜、僕は逃げ出したんだ』だ。
音楽に疎いのでどう言い表せはいいかわからないんだけど、歌い出しやサビの後ろでストリングス?っぽい音で同じ拍をとり続ける、ディスコ?みたいな曲が好きで、これもそうだった。エレクトロでノリはいいんだけど歌詞は暗めで聴いてて心地がいい。
キリンジ兄が手掛けたA面側の『わたしの青い空』もポップさと暗さが混ざった狂気の名曲。こっちは最近YouTubeでオフィシャルなMVが公開された。

『スパークリング・チャイナタウン』井上ほの花

ミニチュアのビルを ガラスの瓶に詰めたら
全部まとめてあげるつもり ふたりの摩天楼

作詞・作曲・編曲:無果汁団

この曲はサブスク経由ではなく、とある音楽紹介noteで知ったもの。自分は新しい曲を開拓するために度々好みが近い音楽ブログやメドレー動画を漁っており、冒頭のプレイリストがその部分だけ誰かのコピーになっている。
歌っている井上ほの花さんは井上喜久子さんの娘さんで、18歳の時に『スパークリング・チャイナタウン』が収録されたアルバムを発表した。お母さんは永遠の17歳だけど。
タイトルのイメージ通り、キラキラしていてオリエンタルな80年代風アイドル歌謡な一曲。井上さんのかわいらしい声がアイドルらしさと懐かしさを引き立たせていて、特にアウトロでサビのメロディーを歌うところがお気に入り。
気が付くと何回もリピートしている、すっきりしているのにクセになる曲。

『ネクタリン』てれび戦士2023

からかわないでよね ゆるがないネクタリン
ここで泣くものか
すべきこと すでに遅いこと 分かっていたりしたりね

分かったフリは、すべき?

作詞・作曲:はっとり 編曲:マカロニえんぴつ

天才てれびくんが好きだ。というよりも、天才てれびくんの歌(通称MTK‐ミュージックてれびくん)が、好きだ。
番組開始当初からMCやてれび戦士と呼ばれる子役たちによる番組テーマ曲の歌唱はあったが、特に1998年度~2013年度までの間は、年によってほぼ毎月てれび戦士による新曲が発表されていた。洋楽カバーが多い時期、avexのアーティスト路線の時期などがあったが、自分が何より好きなのは2011年度~2013年度のMTKだ。遊佐未森や沖井礼二、サンボマスターなどの楽曲提供やMCの出川哲朗・鈴木あきえとてれび戦士たちの歌が好きだった。単純に世代補正というのもある。

前置きが長くなったが、この『ネクタリン』は現行の2023年度てれび戦士による番組テーマ曲である。マカロニえんぴつ提供のこの曲は、どこか自分が一番好きな時期の雰囲気を感じて初めて聴いたときはとても嬉しかった。
この曲は特に歌詞が好きで、なんなら全文引用したいぐらいだ。未熟で成長中で、ちょっとひねくれた歌詞を小中学生のてれび戦士が歌っていることにグッとくる。マカロニえんぴつによるセルフカバーもよかったです。

『遠泳』皆川溺

彼女のつぶらな瞳に隠されたほんとを知りたいの

作詞・作曲・編曲:皆川溺

作者は2006年生まれのボカロP。彼が以前使っていた別名義での曲を覚えていて、そういえば今どんな曲作ってるんだろう……と調べて見つけたもの。
曲単体でもすごくいいんだけど、実写のPVが今までのボカロであまり見たことがないテイストで驚いた。青空の下、黒髪セーラー服で無表情な少女が銃を持って立っているシーンの緊張感なんか映画みたいで、掻き鳴らすギターの鋭さと淡々としているのに息継ぎは苦しそうなミクとGUMIの歌声に合っている。
全部含めて一つの映像作品として好きです。カップリング曲の『melty me.』もよくて、どちらを記事にするか迷った。

『タイムマジックロンリー』nuance

タイムマジック タイムマジック タイムマジック
空間をねじって作ったワームホールを抜けてくロンリー
うそマジ?うそマジ?feel so magic
向こうの時代で出会った誰かに恋をしてしまう論理

作詞・作曲:佐藤嘉風

レコメンドで流れてきてびっくりした曲。サビにぎゅっと詰め込まれた上記の歌詞、乱れ打ちのパーカッション、レトロなのに新しい感じもするアップテンポ……何これ!?調べてみたら彼女たちは横浜のローカルアイドルで、曲自体もクリフサイドという実在するダンスホールをイメージしたものらしい。へ~
所々に入るメンバーと謎の紳士のセリフパートも相まって、すごく変なのにSFみのあるアイドルソングに仕上がっている曲。イントロやサビ前のタイムスリップするような盛り上がりも癖になる。すごい……

『ロマンスの途中』Juice=Juice

「愛してるわ」と言え!

作詞・作曲:つんく 編曲:鈴木俊介

身内のハロオタに布教され、イントロでこれは……!となった曲。新人アイドルのメジャーデビュー曲の歌い出しが「『愛してるわ』と言え!」ってすごすぎないか?その後に「I still love you! Yeah」で韻を踏んでいるのも秀逸。もともと自分はあんまりハロプロには詳しくないんだけど、あ~ハロプロだな~とわかるようなゴージャスなファンクで聴いていて楽しい。
おかげでこの曲の振りと歴代のメンバーをなんとなく覚えるぐらいになりました。少し前までは『イジワルしないで 抱きしめてよ』を765プロの星井美希さんがカバーしてたぐらいの認識だったのに……
このグループはメンバーの入れ替えをしながら今年10周年を迎え、先日公開された『ロマンスの途中(2023 10th Juice Ver)』もまた違った雰囲気でよかった。あと金澤朋子さんの『黄色い線の内側で並んでお待ちください』が好き。

『ベステン ダンク』高野寛

生まれて初めて 目が覚めたように
明かりも暗闇も 同じように見える
それは不思議な景色だ

作詞・作曲・編曲:高野寛

『虹の都へ』を天てれでカバーしていたのをきっかけに高野寛を知り、それから何年も経った後に改めて調べて出会ったのがこの曲。
高野さんの曲はキャッチーさとファンタジーが両立していて、爽やかで温かみのある歌声と一音一音が美しいギターが好き。特に『ベステン ダンク』は白昼夢のような浮遊感が曲を包み込みつつ、メロディーはポップで何度でも聴きたくなる。サビの「この声は小さすぎて君の元までは届かない」ってフレーズ、綺麗だな……
他だと『Moon Shadow』『ホロスコープ』もいい。あとアイドルネッサンス版『ベステン ダンク』も好き。アイドルネッサンスのカバーは全部いい。

『平行線の美学』コメティック

あぁ やなかんじだ
私は私でありたい
君は君でいればいい
それでいいね

作詞:園田健太郎 作曲・編曲:ねりきり(KEYTONE)

アイドルマスターに触れ始めてからかれこれ7、8年ほどになる。その間常にまっすぐ追い続けていたわけでもなく、ニコマスをひたすら見ていた時期、担当の上位報酬を手に入れるために血眼になって走っていた時期、色々としんどくて意図的に情報を目に入れなかった時期などを経て、今は気が向いたときに某Discordサーバーでオタクたちを眺めつつゲームをゆるくやるぐらいになっている。

『平行線の美学』はシャニマスというアイマスの中でも新しいタイトルの、更に直近で登場したユニット・コメティックの楽曲だ。正直シャニマスは最近ほとんどやってなくて、今年11月にリリースされた新アプリをきっかけにのこのこと帰ってきた人間だ。だからコメティックのこともよく知らないんだけど、単純に曲が良くてずっと聴いている。でも本来アイドルの曲を聴く動機ってそういうものじゃないですか?
コメティックはコテコテすぎるほどにイマドキのボカロ出身系ネット音楽をやっていて、逆に今までのアイマスであまり聴いたことがない感じで好き。ジャケットも真っ黒だし。全体的にいわゆる病み、というか反抗的でひねくれた曲なんだけど、2番サビ前の「虚しいんだ」とか郁田はるきさんのほわほわした歌声がアクセントになってるのがいい。
他のシャニマス楽曲だと、大崎甜花さんの『また明日』とシーズの『Bouncy Girl』が好き。シャニソンでMVが実装されるのが楽しみ。

『REFLECTION feat. 中村佳穂』tofubeats

自分の形に似た友達と 僕はただ
話してみたいよ

作詞・作曲:tofubeats

おそらくこの2年弱で一番聴いた曲。なんかインターネットの人ってみんなtofubeats好きじゃないですか?自分も元々よく知らなかったのに、匿名ラジオで「YouTubeの自動再生を流し続けていると最終的にtofubeatsに行き着く」という話を聴いて以来追うようになりました。

この曲は好きなポイントがありすぎるんだけど、まず中村佳穂さんの歌がいい。中村さんは昔NHKのシャキーンで歌っていた『72億人分のあの人』が好きで、記憶に残っていた。ありきたりな褒め言葉ではあるんだけど表現力が豊かで、歌っている表情だったり感情が見えてくる。この『REFLECTION』でも「調子に乗ったつもりで」の笑ったような歌い方とか、フェイク部分の力を抜きつつ曲の雰囲気を作り出しているところが好き。

曲自体もハイテンポなドラムンベースでありながら落ち着きと爽やかさも兼ね備えていて、ストリングスやピアノ、シンセの音色が本当にきれい。そんな流れるようなメロディーに淡々とした歌詞、いつもの日常を繰り返しつつ少しずつズレていくPVがよく合っている。
そして、何よりも好きなのが3:07~の間奏。それまでの穏やかさとはうって変わって変則的なドラムに重ねられたコーラス、不穏な森の中で目まぐるしく変わるアングル、終盤の日常が非日常になる瞬間へ見事に繋がっていき、聴き終わった後の満足感がすごい。クラブとか全く行ったことないんだけど、この間奏を現地で聴いたらどうなってしまうんだろう……
きっとこれからの人生においても大切なものになるであろう一曲。


今回、改めて自分が好きな音楽と向き合ってみて気づいたことが3つある。

  • 新しいんだけどレトロな曲が好き

  • 電子音楽が好き

  • 歌詞が暗くてひねくれている曲が好き

インターネットサブカルクソオタク人間!?!?
……これからも色々な曲を聴いていきたいと思います。

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