まどぎわ

いつもの失恋旅行。
否、結果として失恋旅行になってしまっただけで、
旅を決めたときには、わくわくした気持ちが詰まった一人旅のはずだった。
なぜか昔から、出発の直前に、すきな人から別れを告げられることが多い。

確か、前回の旅行のときはしょうくんにフラれた。
今回は、ゆうたくんにフラれた。

わたしも懲りないものだなあと思いながら、飛行機に乗るのだ。

これから、どうなっていくのだろう。どうなりたいのだろう。
自分のことながら、何故か他人事で、正解も不正解もわからない。

窓際の席は泣いているのがバレないからいいよなあ。

ぼんやりとどこか上の空で、センチメンタルにまみれながらも、
旅の始まりは、高揚感が勝る。

なに食べようかなあ。お腹すいた。晴れるといいなあ。猫いるかなあ。

女の子なんて、大体そんなものだ。

心も、泣きつかれるときがくる。

未練たらしい愛情を、上空8000メーターからバラまき終わったら、
夕ご飯のお店を探そう。


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