221：🥨mmillusion0213-0214 もしくは，ディスプレイのサーフェイスに押し出されたデジタルオブジェクト

錯覚のような感覚から身体と意識とユーザ・インターフェイスを考えるためのメモ

身体とコンピュータが抱えているn次元の情報を二次元のディスプレイで錯覚を介して，意識においてさまざまな情報が共有されて立ち現れる現象的空間内で質量込みでシンクロさせる試み

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• 坊主に散髪中，目を瞑りながら．バリカンの位置と頭の輪郭との一致・不一致感じていた．ほとんど一致しない．頭の輪郭として感じているラインよりもだいぶ先にバリカンがあって，頭蓋骨に当たっている感じがある．だから，頭の輪郭が広がっている感じがある．

• と，書いたけれど，今ではそれも曖昧でである．普段，頭の輪郭を感じることはないので，そもそも頭の輪郭はないとも感じられる．目から先の視界と，その底辺の断面は感じられるけれど，視界の外にある頭の輪郭を，私は普段感じない．

• 鏡を見れば，そこに頭があって，輪郭があることがわかるけれど，鏡を見ていないときには，頭がそこにあることは知ってはいても，感じていないような気がする．だから，バリカンによる散髪作業中に頭蓋骨の輪郭に沿って，バリカンが動かされると，そのとき思い浮かべる頭の輪郭とのズレを感じて，奇妙な感じなるのだろう．

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The SonicFinder: An Interface that Uses Auditory Icons　William W. Gaver 

ハードディスクがカリカリしていたデスクトップやノート型のパソコンでは，ユーザのメンタルモデルにおいて，デジタルモデルはまだそれらの内部に位置できていた．しかし，記憶装置はSSDになり，キーボードもイメージになり，それらにタッチするスマートフォンでは，装置内部や表面からの音は聞こえなくなった．ミュート化したコンピュータであるスマートフォンでは，ユーザのメンタルモデルにおいて，デジタルオブジェクトは薄くなり無音化した装置内部に居場所をつくるとができず，ディスプレイのサーフェイスに押し出されるかたちになったのではないだろうか．だから，デジタルオブジェクトは音と振動を必要とした．ミュートから解放され，それ自体の居場所を明確にするために，視覚だけではなく，聴覚と触覚とを必要とした．身体とコンピュータが抱えているn次元の情報を二次元のディスプレイで錯覚を介して，意識においてさまざまな情報が共有されて立ち現れる現象的空間内で質量込みでシンクロさせる試みとして，視覚だけではなく，聴覚と触覚とで立ち上がれる錯覚を含めたあらたな感覚が必要とされている．