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165:📱🔗💻exonemo / Realm-UN-DEAD-LINK03

展覧会タイトルになっている「UN-DEAD-LINK」という言葉から,二つの新作《Realm》と《UN-DEAD-LINK 2020》を考えてみたい.

展覧会の説明には以下のように書かれている.

新作のタイトルでもある「UN-DEAD-LINKアン・デッド・リンク」には、インターネット上で接続できなくなった、リンク先が存在しない「デッド・リンク DEAD-LINK」の作品を再考し、「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」として、アクセス可能にするという意味がこめられています。

「デッド・リンク DEAD-LINK」は,リンク先が存在しないということだから,リンク先は「無」ということになるだろう.「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」は,リンク先が存在しないの反対(UN-) だから「無」ではなく「有」ということになる.当たり前であるが,リンクをするためには,リンク先が一度存在する必要があるから,「デッド・リンク DEAD-LINK」になる前の「リンク LINK」のときは,リンク先が「有」ということになる.リンク先が「有」であったから「リンク LINK」が生まれている.「リンク LINK」より先にリンク先が「有」であった.しかし,そのリンク先が「無」になってしまい,「リンク LINK」だけが残っている状態が,「デッド・リンク DEAD-LINK」ということになるだろう.

「リンク LINK」はAとBとを繋ぐ関係であったものが,Bが無くなってしまって,AとBとがかつて繋がっていたという「関係」が残ることになる.AとBとがともに存在するときは,「リンク LINK」は画面に表示されるAとBとを入れ替える機能を果たしていたが,Bがなくなると画面を入れ替えることができずに「404 not found」のエラーメッセージを返すことになる. Aとともにある「リンク LINK」はBではなく,Bがないという状態を示す「404 not found」と繋がり,Aと「404 not found」とを入れ替えることになる.Aとともにある「リンク LINK」は,Bとの繋がりが失われても,「404 not found」と繋がっていると考えることもできる.けれど,この状態が「デッド・リンク DEAD-LINK」と呼ばれるのは,もともと繋がっていたBが見つからないからである.

何が言いたのかというと,一度「リンク LINK」をつくると,その「リンク LINK」の二つのポイントを消去しない限り,「リンク LINK」は存在し続け,そのリンクに対して「デッド DEAD」という状態が与えられることである.AとBとを繫げる「リンク LINK」という「関係」が「モノ」のように扱われている.ヒトであれば一度死んでしまうと,その後,生き返ることはない(今のところ).しかし,「デッド・リンク DEAD-LINK」は,リンク先へのアクセスを再度可能にすれば「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」となり,リンクとして機能するようになる.ただし,Aからの「リンク LINK」の先にあるのがかつてのBであるとは限らない.Bが無くなった後に,「404 not found」に繋がったように,別の何かに繋がることもある.「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」の先で繋がっているのは,かつてのBではない可能性もある何かである.しかし,それはAというポイントにあり,Aとして「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」に繋がっている鑑賞者にはわからない.

《Realm》と《UN-DEAD-LINK 2020》を体験した鑑賞者は,自分が行ったスマートフォンのタップと画面上の変化やピアノが発する音とのあいだにつながりを見出す.自分の行為が作品とインタラクションしていると感じる.しかし,自分の行為と画面の変化やピアノの音とが「リンク LINK」しているのかは,実際のところわからないままである.わからないまま否応なく,行為と画面の変化やピアノの音とは結びつけられ,自分の行為がそれらの変化を引き起こしたとされる.実際には,そこに「リンク LINK」があるのか,「デッド・リンク DEAD-LINK」なのか,「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」なのかはわからない.しかし,行為と画面の変化とピアノの音の連動性から,「デッド・リンク DEAD-LINK」の可能性は除外され,「リンク LINK」か「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」のいずれかなのではないかということになっていく.

そして,《UN-DEAD-LINK 2020》では,その繋がりが「死 DEAD」を強く喚起するものになっている.《Realm》では,タップをし続けて白いモニュメントの存在が強くなればなるほど,自分のタップと連動する白い指紋を見つけることは難しくなっていき,タップが「デッド・リンク DEAD-LINK」化していくように感じられる.エキソニモはインターネットではじめて可能となる作品を初期に作成し,その後,インターネットと向かい合う際に必ず使用する「インターフェイス INTERFACE」の「神秘性」を考察してきた.その先にある《Realm》と《UN-DEAD-LINK 2020》でエキソニモは,タッチパネルという「指」を用いたあらたなインターフェイスを通して,インターネットの基本原理である「リンク LINK」そのものの「神秘性」に触れようとしているのかもしれない.

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