147:「物」が「出来事」でしかないという視点
実際さらに細かく見ていくと,いかにも「物」らしい対象でも,長く続く「出来事」でしかない.もっとも硬い石は,化学や物理学や鉱物学や地理学や心理学の知見によると,じつは量子場の複雑な振動であり,複数の力の一瞬の相互作用であり,崩れて再び砂に戻るまでのごく短い間に限って形と平衡を保つことができる過程であり,惑星上の元素同士の相互作用の歴史のごく短い一幕であり,新石器時代の人類の痕跡であり,横町のわんぱくギャング団が使う武器であり,時間に関する本に載っている一つの例であり,ある存在論