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不思議な巡り合わせ

今年、6月30日・7月1日・7月2日と

大阪で「いま、会いにゆきます」という舞台にアンサンブルとして立ちます。

市川拓司さん原作の小説の舞台化。
初の商業舞台!

と、ほんとうはこんなルンルンで報告をするだけで良いはずなのですが。

この作品に、わたしはとても不思議な巡り合わせを感じています。





12年前の2011年7月2日。

これは、わたしの父がこの世を去った日です。

父は末期の膵臓癌で、癌と発覚した時には余命2ヶ月の宣告を受けていました。

ストレスと食生活が原因だと言われていて、
単身赴任中の不摂生が祟ったのではないかと思われています。


そしてその単身赴任が長引いた原因は、わたしにあるのです。



父の単身赴任先に引っ越すという案が以前からあったのに、地元で小学校を卒業したいと駄々を捏ねてしまったから。


あろうことかそのワガママを3年も通してしまったから。



つまり、父はわたしのせいで死んだと、
12年経った今でもわたしはそう考えているのです。



あのとき素直に引越していれば、父と母と3人で過ごせる未来はまだあったのかもしれない。

母が父の遺影に向かって、寂しさや「迎えに来て欲しい」という言葉を吐露しているところを見かける度に、謝りたい気持ちでいっぱいになります。

仲の良い2人を割いてしまった。
どうしてあれだけ必要とされる父が死んでしまって、こんなわたしが生きているのか、今でもほんとうにわからなくなるときがあります。


おそらくこのまま、一生気持ちの整理はつかないままに生きていくことになるんだと思います。

父。183cm。デカい。


「いま、会いにゆきます」

この原作を読んだ時、なんてあたたかい物語なんだろうと思いました。

そして羨ましかった。
去っていった人ともう一度、6週間も過ごすことが出来るなんて。

喉から手が出る程にその日々が欲しいと思いました。

父に、謝らなければならないことが沢山あるからです。
伝えたい感謝の気持ちが山ほどあるあるからです。
やりたかったことも、数え切れないほどあるからです。


制服を着たわたしを見て欲しかった。

一緒にお酒も飲みたかった。

バージンロードも、一緒に歩いてほしかった。

なんてね。



最後の方の描写では、完全に佑司に自己投影してしまって泣きじゃくってしまって目が腫れてどえらいことになったのですが(笑)、今でもメンタルブレイクをしたときに何度も読み直すくらいには大好きな作品です。

読了後にはなんだか子どもの頃の自分の気持ちに戻れて、素直になれる気がするので。


そんな大好きなこの作品のオーディションの情報を目にした時、応募しないと絶対に後悔すると思いました。

しばらく演者側から離れていましたが、久しぶりになんでもいいからこの世界観で生きたいと願い、ダメ元で応募したところなんだかんだでご縁があって出演が叶った次第です。

そして、この作品の千穐楽は
2023年7月2日。

父の命日で、十三回忌の日です。


なんだか、すべてにおいて前を向いて生きていけという父からのメッセージなのではないかという風に勝手に受け取っています。

まだ稽古中は感情移入をしすぎて泣くのを我慢している事も多いのですが、きっとこの作品を無事に終えられたその時には、今よりも成長した姿をお見せできるのではないかと思います。

そしてこの豪華キャスト。すげえ。


あと個人的には、原作の素敵さは勿論ですが、去年舞台を観に行って圧倒された浅沼晋太郎さんとご一緒できるということ、そして金さんの演出を受けられるということで、これまた豪華な作品だなあと考えています。

そんな舞台「いま、会いにゆきます」は
大阪は阿倍野にてご覧いただけます。


ぜひこちらよりご予約いただき、あたたかくて素敵な作品を見届けてくださいませ。

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