見出し画像

元彼、転売ヤーになる

わたし歴代の彼氏はみんないかれぽんち過激派みたいなのが多いんだけど、その中でもとびきり面白い話。

2年くらい付き合ってた人、ピアス屋さん(って何って感じだけど)
ちょうどその頃私はバンギャル人生でいちばん金と時間を費やしたバンドに通っていて、私もバンドもノリにノッていた。うまく言えないんだけど、とりあえず最高に楽しかったころ!
毎週末チケ発、毎月東名阪みたいな日々が続いていて、チケ発のたびに癇癪おこしかけたりといろいろと大変だった。笑

主催ツアーのチケ発が全公演一斉なんてこともざらで。
もちろん人間ってのは手が2本、指が10本までしかないので、自力でチケ発できる公演数には限界があるわけで。そんなときは仲良しのお友達や知り合いのバンドのファンにお手伝いいただいてなんとか頑張ったりもするんだけど。
猫の手も借りたかったくらいに人手不足だった当時の私は、ついに彼氏を使うことを思いついた!
もちろん今まで先着のチケ発なんてものをしたことがある人ではなかったので、仕組みからコツから用語まですべて教えて事前に練習もさせた。今思うとわりとスパルタだったかも。
最初こそもちろんボロボロで混線させただけやろみたいな感じだったけど、ある時からめきめきと上達していったわけ。
前述の主催ツアー一斉チケ発の日、北海道公演をお願いしていた。
なかなか出揃わない会場があったりでイライラと不安とでストレスピークの私は(バンギャみんなそうだよね…w)連絡の遅い彼氏に普通にブチギレたりなどしていて。一斉チケ発は迅速な連絡が大事ですからネ!
本当に恥ずかしいことだけど当たり散らしていた。ひどい女だわ。笑
そしたら「これでご機嫌なおして…!」といってラインとともにこれが送られてきた。

大歓喜したよね!!!!!!!!!!!笑


神様じゃんうぁぁぁぁぁぁあああああんと言って泣きながら電話して謝った。いやほんとあの1番も、これで機嫌直しても、まじでなんて良い彼氏だよ…となった。最高にありがたや空間。ナムナム

当時はモバオク全盛期。余ったチケットはモバオクでせっせとさばくが鉄板だった。
私がお願いしたものは私が責任をもって余りもさばけばよかったんだけど、捌きまでお願いしはじめた。今思えばこれがいけなかったんだけど。
アカウント名は変えられないものだったし、元彼からこれであってる?と確認されたりもしたのでもちろんどのアカウントで売っているかもわかっていた。え、まじで私何てことまでさせてたのかしら…ひどい…笑

理由は忘れたけど、なんとなく連絡を取らなくなったり会わなくなったりしはじめた。本当に思い出せない。多分単純に飽きたんだろうな、お互いに。

その頃にはもうチケ発を頼むこともなくなっていた。
けど、私は相も変わらずバンギャル最前過激派だから、彼氏と冷戦状態が続こうとも、例のごとく毎週末チケット大戦争に参加しては喜んだり悲しんだり忙しくしていて。

何の公演だったか忘れたけど、売りに出ているチケットを見つけた。
おかげ様でその公演は、私も友達もみんな大成功ヤッタネ祭りだったので高額転売されてるチケット?へ~くらいにしか思っていなかったんだけど。
とりあえずどんなもんかねと思って、該当の出品にアクセスしてみた。
もうなんとなくお気づき頂けているだろうけど、そのチケットの出品者はまぎれもなく私の元彼のアカウントだった。いや、この時点ではまだ正確には別れていないので彼氏のアカウントだ!
私は、好きな人に好きなバンドのチケットを転売された!しかもスタート2万円越という信じられない高値で!笑

私や私の友達が必死に早い整理番号のチケットを欲していること、
それらのチケットが上乗せで取引されるこの市場の相場、
そして売れるであろう対バン相手のラインナップ、
これらすべて私が教えた。私は私の手で悪魔の転売ヤーを生み出してしまったのだ。

その後もちらほらと私の好きなバンドのチケットを売りにだしていた。調子に乗ってなのか、その当時とても人気だったバンドにも手を出していた。本当に申し訳ないの気持ちでいっぱい。

幸いにも、その後も元彼からチケットを買うようなことは私もその周りもなかったけど、大笑いと同時に相当腸煮えくりかえったよね。


転売ヤーと化してからもちろん連絡もとっていなかったけど、ちょっと前に原宿のとあるアパレルで販売員しているのは見かけた。転売ヤーフラッシュバックで一瞬心臓ばっこばこになった。笑
話しかけることもなかったけど、元気そうだった。

まだ転売してるのかな、名義見かけたら凸してやるんだ!笑


おもしろ男の話でした。
あと不食の男、記憶喪失のフリをはじめた男、極めつけは身分偽証の男などなどバラエティに富んだ元彼がいるけど、まあそれらを経て今は頭のてっぺんからつま先まで好きな人と付き合っています。
惚気~きもきものきも!フィニッシュ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?