あいのリズム

幼いころの記憶。母が私を寝かしつけるために、背中をトントンしてくれた。
よくあるあたたかい光景。

でも、私はそれが少し苦手だった。
母が先に眠りに落ちていくと、トントンがゆっくりになって、いつかそれが途絶えてしまうことが、とても寂しかった。
取り残されてひとりぼっちになる夜が怖かった。
それを確信してから寝る前のトントン、は苦手。
向けられた愛情が意識とともに薄らいでいくことが、わかるようで、苦手なのだ。

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