✧12「一等星よりもずっと」
真夜中の3時を過ぎた頃。
1階に置いてある古時計の鳴る音が聞こえる。僕は、手元にあるアンティーク・ラジオのダイヤルをきりきりと合わせて、かすかに聞こえる音に耳を澄ました。しん、と静まり返った部屋に流れるそれは、オルゴールのように心地よく響く。
深夜の風は穏やかで、ゆるゆると頬を撫でた。揺れるカーテンの向こうに見える星たちは煌めき、夜明けを夢見ている。
ねこのようなあの子も、白衣を身につけたあの子も、同じ星空の下にいる。住んでいる星は違えど、見上げる空はおんなじで。
世