阪神・近本光司、通算100盗塁到達

阪神タイガースのリードオフマン、近本光司にようやくエンジンがかかってきた。

5月22日、阪神甲子園球場での対読売ジャイアンツ戦、近本は「1番・センター」で先発出場すると、初回の第1打席、巨人先発の左腕・高橋優貴からセンター前ヒット、第2打席は2回1死満塁で迎え、センター前に弾き返し、先制のタイムリー安打。
7回、先頭で迎えた第4打席にも、巨人3番手の右腕・畠世周からライト前に運んで、今日、この試合3本目のヒットで猛打賞。
さらに、3番・大山悠輔の打席、畠が投じた5球目に、近本は二塁に向かってスタートを切ると、巨人捕手・小林誠司は二塁に送球できず、悠々セーフ。

近本はルーキーイヤーの2019年4月2日、対読売ジャイアンツ(東京ドーム)、1回表に投手・山口俊、捕手・小林誠司のバッテリーから二塁盗塁を決めたプロ初盗塁から数え、ちょうど通算100盗塁となった。
試合は近本の先制打が決勝点となり、阪神が4-0で巨人を下している。
近本は4月終了時点で打率.231、ホームラン0本であったが、この試合が終わった時点で、5月の月間打率は.319となり、今季の打率も.265まで上昇してきた。
阪神の反攻にリードオフマンの近本の出塁、走塁は欠かせない。

NPBで通算100盗塁に到達したのは阪神では近本が14人目である。

NPBにおける「盗塁記録」はほとんど福本豊(阪急)が独占している。
野球における戦術が変化し、投手のクイックモーションも進化した今、脚力があっても、福本のように盗塁を積み重ねることは難しくなっている。

しかし、福本豊がつくれなかった記録で、近本がNPBでトップに立てる可能性がある記録がある。

それは、「新人からの連続シーズン20盗塁以上」という記録である。

福本豊は1968年、阪急にドラフト7位指名を受けて入団したが、新人の1970年はわずか38試合の出場に留まり、わずか4盗塁しかしていない。
そして、プロ2年目の1971年に75盗塁をマーク、そこから13年連続で盗塁王を獲得、プロ生活20年で通算1065盗塁を積み重ねることになる。

NPBで新人(入団1年目)でシーズン30盗塁を達成したのは、2021年の中野拓夢(阪神)まで15人いる。
そのうち、2年連続でシーズン30盗塁に到達しているのは8人しかいないが、近本はその一人である。

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さらに、新人から2年連続以上で盗塁王を獲得したのは、赤星憲広(2001年-2005年)と近本(2019-2020年)だけである。
近本は2021年、24盗塁に終わり、後輩の中野拓夢(30盗塁)に盗塁王も譲ったため、「新人から連続シーズン30盗塁以上」「新人から連続盗塁王」の記録も途切れているが、もう一つ、「連続シーズン20盗塁以上」の記録が残っている。

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今季、近本がシーズン20盗塁以上に到達すれば、NPB史上8人目の達成となる。
阪神では6年連続の赤星憲広、5年連続の吉田義男が控えており、近本が今後、記録を継続できるか注目したい。


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