楽天・岸孝之、40歳を迎えるシーズンで「規定投球回数到達」&「防御率2点台」

東北楽天ゴールデンイーグルスの39歳の右腕、岸孝之がまた一つ、勲章を手にした。

岸は10月9日、楽天モバイルパークで開催された対埼玉西武ライオンズ戦に、今季22度目の先発登板。

39歳の岸は今季ここまで21試合すべて先発登板で136回1/3を投げ、6勝11敗、防御率2.84という成績であった。
チームはすでに4位が確定していたが、今季チーム143試合目となる最後の試合に、岸は自身3年ぶりの規定投球回数到達を懸けて先発マウンドに上った。

岸は西武打線に対し、初回1死、外崎にレフト越えの先制ソロとなる今季7号本塁打を許すと、さらに2死二塁から野村のセンター前へのタイムリーヒットで2点目を奪われた。

しかし、岸は2回以降は毎回、走者を許しながらも要所を締め、4回は1死三塁のピンチを招いたが、牧野を見逃し三振、古賀をレフトフライに打ち取った。
6回も、2死から岸にセンター越え三塁打を打たれたものの、続く牧野をサードへのファウルフライに抑えた。

すると、岸の好投に応えたい楽天打線は7回裏、入江、安田、鈴木大地の3連打で1点を返すと、村林の犠牲フライで2対2の同点に追いついた。
岸は8回表のマウンドには上がらず降板したため勝ち負けはつかなかったものの、プロ18年目の今季は3年ぶりに規定投球回数到達して、143回1/3を投げ、6勝11敗、防御率2.83でシーズン終えた。
勝ち星は伸び悩んだものの、チームの投手で規定投球回数到達したのは左腕の早川隆之に次いで、防御率2位となった。

岸は開幕から5月までは8試合に先発登板し2勝4敗、防御率3.28と黒星先行ながらまずまずの成績であったが、交流戦が行われた6月に月間成績、0勝3敗、防御率5.82と苦しんだ。しかし、7月以降は立ち直り、11試合に先発登板して、4勝4敗ながら、防御率1.87と抜群の安定感を見せた。

NPBで「40代を迎えるシーズン以降で規定投球回数到達」は史上11人目


岸孝之は1984年12月4日、宮城県仙台市生まれで、名取北高校、東北学院大学を経て、2006年ドラフトで自由獲得枠で西武ライオンズに入団した。

岸は新人の2007年から4年連続で二けた勝利を挙げるなどの活躍を見せ、特に2008年の日本シリーズでは初登板で初完封勝利を挙げ、2014年にはノーヒットノーラン(NPB史上78人目)を達成するなど、西武在籍の10年で7度の二けた勝利をマークし、通算103勝を挙げるエースであったが、2016年オフにFA権を行使して、地元の東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した。
楽天に移籍後は2018年には自身8度目の二けた勝利を挙げ(11勝)、防御率2.72で自身初となる最優秀防御率のタイトルを獲得、2023年にはNPB史上51人目となる通算150勝に到達した。

今季2024年は7月13日、地元・楽天モバイルパークでの対埼玉西武ライオンズ戦で39歳7か月で完封勝利を挙げ、自身の持つ球団最年長完封記録を更新すると、同じ登板でNPB史上48人目の2500投球回も達成していた。


そして、岸は今年12月に40歳を迎えるが、NPBのレギュラーシーズンで、40歳の誕生日を迎えるシーズンに規定投球回数に到達した投手はこれまで10人おり、岸は史上11人目である(達成時点での満年齢ではない)。

これは今季のNPBで現役最高齢となる投手、石川雅規(1980年1月22日生まれ、満44歳)、2番目に高齢となる和田毅(1981年2月21日生まれ、満43歳)もまだ成し遂げていない記録である。


NPBで40歳を迎えるシーズンに規定投球回数に到達した投手は、若林忠志(毎日)、村田兆治(ロッテ)、佐藤義則(オリックス)、大野豊(広島)、工藤公康(巨人)、山本昌(中日)、下柳剛(阪神)、三浦大輔(DeNA)、黒田博樹(広島)、ラウル・バルデス(中日)、そして今回の岸孝之で11人目となる。

そのうち、若林忠志は40歳と41歳の2度、黒田博樹も40歳と41歳の2度、規定投球回数をクリアしている。

また、村田兆治は40歳、大野豊は42歳を迎えるシーズンに、リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得している。

岸はNPBでは2017年のラウル・バルデス(中日)以来、7年ぶりとなる「40代となるシーズンでの規定投球回数到達」であり、かつ「防御率2点台」は2015年の黒田博樹(広島)以来、9年ぶり6人目である。

さらにパ・リーグに限ると、1994年の佐藤義則(オリックス)以来、30年ぶりとなる「40代となるシーズンでの規定投球回数到達」であり、かつ「防御率2点台」は1989年の村田兆治(ロッテ)以来となる、35年ぶり3人目の快挙である。

岸は来季2025年も現役続行を決めており、来季のシーズン開幕時には40歳を迎えている。
NPB史上3人目となる「40代を迎えたシーズン以降に規定投球回数到達2度」のタイ記録も懸かっている。

来季、40歳になった岸がどのような投球を見せるか楽しみである。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?