ヤクルト新人・松本健吾、NPB史上初「初登板・初完封・二桁奪三振・無四球」の快挙

東京ヤクルトスワローズの2023年ドラフト2位指名入団の投手・松本健吾(東海大菅生高→亜細亜大学→トヨタ自動車)が、まさに「歴史的」快投でプロデビューを果たした。

松本健吾は5月15日、松山・坊っちゃんスタジアムで行われた対広島カープ戦に、プロ初登板・初先発した。

1回表、松本は広島1番の秋山翔吾をキャッチャーゴロに打ち取った後、2番の宇草にセンター前ヒットを打たれ、3番の菊池から空振り三振を奪ったが、その間、宇草に二塁盗塁を許した。続く4番の小園を連続三振にきってとり、ピンチを脱した。
2回表、先頭の5番・末包からは前の回から3者連続となる三振を奪うと、続く6番・林にはライトオーバーの二塁打を浴び、再び1死二塁のピンチを招く。
しかも、続く7番・矢野のファーストゴロをホセ・オスナが後逸して、1死一、三塁とさらにピンチが広がったが、続く8番・会澤をサードゴロに打ち取り、5-4-3の併殺打にきってとった。

ヤクルトはその裏、8番・武岡龍世のライト前へのタイムリーヒットで先制点を挙げると、松本は3回も、1死から秋山にセンター前ヒットを許したが、宇草をファーストゴロ(秋山は二進)、菊池をセンターフライに打ち取り、3イニング連続で得点圏に走者を進められたがいずれも無失点で切り抜けた。

すると、松本は4回以降、広島打線をテンポよく打ち取り、しかも毎回、三振を奪うなど、4回から8回までパーフェクトに抑える好投を見せた。

さらにヤクルトは8回裏、二死走者なしから4番・村上宗隆が右中間スタンドに飛び込む今季9号ソロホームラン、しかも、NPB史上最年少(24歳3か月)となる通算200号のメモリアルアーチを放ち、2-0と2点リードとすると、松本は9回表もマウンドに上がり、1番・秋山をピッチャーゴロ、2番・宇草をこの日、10個目となる三振、そして、続く代打・松山もピッチャーゴロに打ち取り、ゲームセット。ヤクルトが2-0で広島を破った。

終わってみれば、松本健吾は一人で9回を投げ切り、118球、被安打3、10奪三振、しかも無四球という、まさに最高といってよい投球で広島打線を完封する快挙を成し遂げた。


スワローズ新人投手の「初登板・初勝利」は14人目、「初登板・初完封勝利」は2人目

松本健吾のように、スワローズの新人投手がプロ初登板で初勝利を挙げるのは、2013年の小川泰弘以来、11年ぶり14人目の快挙だが、さらに、完封勝利となると、国鉄スワローズ時代の1952年の小山恒三以来、72年ぶり2人目の快挙となった。


NPB公式戦プロ初登板・初完封は史上30人目、「無四球・二けた奪三振」は史上初


しかも、NPB全体で見ても、外国人投手を含む初登板・初先発の投手が初勝利を完封勝利で飾るのは松本が史上30人目(外国人投手3人を含む)で、そのうち新人に限ると2008年の大場翔太(ソフトバンク)以来、16年ぶり23人目で、かつ無四球試合となると6人目(うち外国人投手2人)、また、1試合10奪三振以上を記録したのは1987年の近藤真一(真市、中日)以来、36年ぶり4人目であり、しかも、「無四球試合」と「1試合二けた奪三振」を同時に記録したのは、NPBの公式戦の歴史で、松本健吾が史上初という大偉業をやってのけた。





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