広島・大瀬良大地、6月末時点で「防御率0点台」

広島カープの右腕・大瀬良大地が、抜群の安定感ある投球を続けている。


大瀬良大地、35回1/3連続無失点継続中でチーム史上2位

6月29日、東京ドームでの対読売ジャイアンツ戦で、6回1/3を投げ、無失点に抑え、目下、チーム歴代2位となる35回1/3連続無失点を継続中である。

大瀬良大地は今季12試合に先発し、防御率0.80は両リーグトップ。
・6回以上・3失点以下の登板・・・9試合(8試合連続を継続中)
・7回以上・2失点以下の登板・・・7試合(5試合連続を含む)

今季初先発となった4月4日のヤクルト戦で3失点した登板を除き、1試合3失点以上の登板はない。

しかしながら、大瀬良が今季、先発した登板では打線の援護に乏しく、4勝0敗どまりである。
最初の先発登板から3試合は登板中の援護点がゼロで、今季初勝利は5試合目となる5月8日、甲子園球場での対阪神タイガース戦まで待たなければならなかった。

交流戦で史上6人目の「防御率0.00」

大瀬良は今季、パ・リーグとの交流戦は3試合に先発登板し、1勝0敗、23回を投げ、1失点、自責点ゼロのため、史上6人目となる、「交流戦の防御率0.00」を達成した。

6月の防御率0.00で、月間MVP候補

大瀬良大地は6月、交流戦2試合を含む4試合に登板して、6月7日、マツダスタジアムでの千葉ロッテマリーンズ戦でのノーヒットノーラン(NPB史上90人目、102度目)を含み、29回1/3を投げて、無失点に終え、防御率0.00。
2勝0敗に留まっているが、セ・リーグの6月の月間MVP投手部門で最有力候補となってる。

5月末時点、それ以降に「防御率0点台」の先発投手は1988年以降、9人目

NPBの1998年シーズン以降、先発投手で5月末時点、あるいはそれ以降に「防御率0点台」を維持したのは大瀬良大地まで9人いる(新型コロナウイルス感染拡大のため開幕を延期した2020年シーズンを除く)。

直近は阪神タイガースの青柳晃洋が2022年、6月10日、開幕から9試合目の登板で防御率0点台(0.89)に突入したものの、10試合目となる6月17日の登板で防御率0点台から陥落した。

6月末時点で「防御率0点台」の先発投手は1988年以降、大野豊、伊藤智仁に次ぎ3人目


さらに、1988年シーズン以降、6月末の時点で防御率0点台の先発投手は大野豊伊藤智仁、そして大瀬良大地の3人しかいない(新型コロナウイルス感染拡大のため開幕を延期した2020年シーズンを除く)。

広島カープの大野豊は1988年、開幕から先発した10試合連続で、「7回以上・自責点2以下」という好投を続け、先発12試合目となる6月26日の登板まで防御率0点台(0.79)であったが、7月3日の巨人戦(広島市民球場)で3回、自責点4で降板、防御率は1点台に降下し、その後、防御率0点台に復帰することはなかった。

ヤクルトスワローズの伊藤智仁は1991年、新人ながら4月から先発ローテーション入りを果たし、6月末までに100イニングを投げ、3完封を含む、6勝2敗、防御率0.99とリーグ2連覇を目指すチームに貢献していた。

伊藤は7月4日の巨人戦に先発し、味方の援護がないまま9回を投げ無失点に抑え、その裏、ジャック・ハウエルのサヨナラホームランで早くもシーズン4度目の完封勝利を挙げた。
これで伊藤のシーズン防御率は0.91となった。

しかし、この試合の9回、伊藤は投球後、右肘に異変を感じていた。
ヤクルトはこの年、前年1992年に続きセ・リーグ2連覇を果たし、1978年以来の日本一を勝ち取ったが、伊藤がこの日以来、シーズン中に一軍のマウンドに復帰することはなかった。

伊藤は結局、14試合に登板し、109イニングの登板に留まったが、7勝2敗、うち5完投・4完封、126奪三振、防御率0.91と、ずば抜けた成績を挙げたことで、セ・リーグ新人王を獲得した。


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