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早期発見・早期治療で死んでも「早期発見・早期治療は大切だ」の謎

【早期発見・早期治療の大切さ】

 「すでに早期のうちから転移が潜んでいて、仮に早期発見されていたとしても、亡くなる運命にあった」として、近藤誠氏が対談で名を挙げたのが、俳優の今井雅之氏です。2015年5月、大腸がんで亡くなられた今井氏のケースを持ち出して、早期診断・早期治療に「意義なし」と強調するのです。これは近藤氏の常套手段で、これまでにもアナウンサーの逸見政孝氏や歌舞伎役者の中村勘三郎氏のケースを何度も取り上げながら同じような主張を繰り返してきました。注目度が高く、影響力の強い人物に自身の理論を適応させることで、賛同を得ようとしているのでしょう。

 これら著名人の不運なケースから学ぶべきことは、転移がすでに潜んでいたから早期発見はムダだとする近藤言論の補強ではなく、やはり「早期発見」の大切さなのです。

 逸見氏の胃がんは年に1回の胃がん検診を受けていた最中に発見されました。最初の手術を受けたときにはすでに、腹膜転移をきたした「びまん浸潤型(スキルス)進行胃がん」という最悪の形で診断されています。それを受けて近藤氏は、「異常なし」とされた前年の検診段階の時点で1ミリほどの小さな胃がんのときにすでに腹膜転移が潜伏していたと言い切っています。逸見氏の転帰を知ったうえで、すでに転移が先行して生じていて「本物のがん」だったと後付けで決めつけるのです。逸見氏は検診を定期的に受けていても死を避けることができなかった、だから胃がん検診は無意味であると。

 しかし、逸見氏の患った「スキルス胃がん」は、早期の段階で見逃されることは時としてありえます。発見できるかどうかは、検査を実施する医師の観察眼や診断レベルに依拠するところが大きいわけです。

 そもそも、内視鏡検査で観察できるのは胃の粘膜面の上っ面のみであるため、そこに変化がなければ「異常なし」とされてしまいます。確かにスキルス胃がんは、粘膜層からがん細胞が検出されないことがしばしばあります。がんの発育の中心が内視鏡ではわかりづらい粘膜の下レベルであることが多く、早期診断が遅れることがある厄介な性質をもっています。しかし、だからといって「早期発見が絶対に不可能」ということではありません。遡ると、必ず早期の段階であった状態があり、それが見逃されていたと判断するほうが適切でしょう。

 今井氏の大腸がんがどのような状況で発見されたのか。詳細な情報がないので明確なことはいえませんが、遡れば、先の逸見氏と同様に、転移のなかった早期の段階が必ずあったはずです。不運にしてその時期に発見されることなく、治癒できる機会を逸したのだと思われます。

 患者側の「時間軸」を都合よく切り取って後付け解釈をするようなやり方は不誠実です。その時点で前向きにがんと闘い、治療を頑張ったはずのご当人やご家族は、死後になってから、第三者から治療はムダであったと言われては無念ではないでしょうか。 大場大〈東大病院を辞めたから言える「がん」の話〉より

✔️【反論〈奇々怪々な論理〉】

 逸見政孝は胃がん検診で、中村勘三郎は健康診断で、そして今井雅之は精密検査でがんが見つかり、そこから治療に入っています。

 3人ともいわゆる「早期発見・早期治療」をおこなったわけです。

 にもかかわらず死んでしまいました。

 よって「早期発見・早期治療は無意味有害」という結論で終わるのが当たり前だと思うのですが、どういうわけか大場大は「それでも早期発見・早期治療が大切なのだ」という奇々怪々な理論を展開しています(苦笑)。

 早期発見・早期治療したにもかかわらず亡くなってしまった人を見て「早期発見・早期治療は大切なのだ」と主張する。

 この支離滅裂ぶりからも大場大のインチキぶりが伝わってきます。

【まとめ】

 ●早期発見・早期治療はやはり無意味有害。

 ●大場大はなにがなんでも自分の間違いを認めない。


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 日本人の3人に1人がかかると言われる国民病のがん。しかし、手術、抗がん剤、放射線の標準治療は大変危険なものなのです。がん食事療法をぜひご検討ください。

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