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読了メモ

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2024年1月の記事一覧

「無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記」山本文緒

闘病(ご本人曰く”逃病”)日記。 タイトルからも予想されるように、あっという間に時間が進んでいく。 日常がリアルに、素直に切り取られていて、病院や軽井沢のカフェを近くに感じ、一緒に過ごしているような気分になる。 終わりに近づいていくのは、当然残りの枚数で予想がついてしまうのだが、最後のページをめくるのはためらう。最後の日記はあまりにもリアルすぎたし、作家人生を全うされたと感じた。 いつの頃からか、桜や銀杏の季節がくるたび、人生であと何回見られるのか、急な事故でこれが最後

「君のクイズ」小川哲

図書館のサイトで予約を入れたのが昨年の4月。年明けにようやく順番が回ってきた。2023年の本屋大賞にもノミネートされていた1冊。 物語の核となっているクイズ大会の問題を出題順になぞらえて展開していくストーリー進行は、個人的にはテンポがよく、読みやすく感じる。 テレビでクイズ番組を見たり、QuizKnockのYouTubeも観たことがあるが、クイズや早押しの裏にこんな思考があることが、興味深かった。そもそも、自分がクイズプレーヤーになる予定もないので、考えたこともなかった。