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読了メモ

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読書の記録、残したいものだけ。
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2023年8月の記事一覧

「世界が面白くなる!」シリーズ

シリーズ3冊読了。 「ペスト」の読了メモでも紹介した、1冊めはこれ ↓ 語り口はシンプルだけど内容が濃い1冊。 ボリューム感がいい感じで読みやすかったので、同シリーズのラインナップをチェックしたところ、2冊ヒット。 続けて読んだのがこれ ↓ 面白い。いや、本当に。 もう1冊も読むことにする ↓ これも面白かった。 そういえば、かつて雑学ブームってあったような。今はスマホで何でも調べられるからブームにもならない。 ただ、この3冊は「雑学」と呼ぶには贅沢すぎる内

「自転しながら公転する」山本文緒

山本文緒さんの最後の長編小説。 650ページがあっという間だった。 どこにでもあるような、どこにもないような話。生々しさがある。 登場人物それぞれの頭の中のものさしの違いがしっかり感じられて面白い。人それぞれでいいんだよ、と月並みなことを思う。 賛否あるそうだが、プロローグ・エピローグが効いていて、物語が締まる感じがした。 これ以上彼女の小説は増えることはない、というのがほんとうに寂しい。

「ペスト」アルベール・カミュ

「ペスト」アルベール・カミュ(中条省平訳) コロナ禍で再びベストセラーとなったというこの本。 確かに、コロナ禍を経験したので、リアルに感じるところが多い。70年以上前に書かれた本だけれど、政治家や市民が考えることは、今も昔もあまり変わらない。非常時に人間の根本が見えてくる、というところが哲学的。 主要人物のリュー医師の場面は、読んでいるだけでヘトヘトな気分になる。職務を全うし、早朝から深夜までずっと働きづめの毎日。コロナ禍の医療従事者などの方たちも同じような状況だったので