秋葉原の新古書店

秋葉原に新古書店がある。数年前には足繁く通っていたが、今はとんと遠のいている。

理由は3つある。まず本の管理がシステマテックになり掘り出しものがなくなった。次にアマゾンのようなネット販売が台頭してきたこと。
最後にはその店舗にトイレないことだ。これには戸惑いを覚える向きもいるかもしれない。

段階的になくなったのである。はじめはトイレを利用できるフロアが制限された。ドアに故障中のため工事中の張り紙があった。それが長引き常態化し、やがてトイレそのものが使用禁止となった。

防犯上の理由が大きく占めていると思う。
しかし、それはどんな業種も避けられず、ガードマンの巡回は今では当たり前の光景だ。
生理現象というのは避けられない、では訪れた客はどうすればよいのか。
他の商業ビルや駅の施設でやれということになる。
つまり、自分達が経営上負担しなければならないコストを外部に依存しているだけなのだ。そのありようには既視感がある。

かつて、その新古書店が既存の業界を席巻したとき出版文化を壊すものとして批判を浴びた。いわく本を右から左に流すだけのただ乗りではないかと。
その批判の矛先をかわすかのように、店内ではボランティア活動に力をいれていることのアナウンスが鳴り響く。
しかし、それとてエクスキューズにしか聞こえないといったら言い過ぎであろうか。

商道徳とまでは言わないものの、やはりトイレを無くしてまで得ているような利益というのは実体がなく自らをスポイルしているだけのように思う。
現在、メルカリの猛威にさらされ経営が厳しいのもその証左ではなかろうか。




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