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本当にヤバイ暴落は不動産バブル崩壊

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バブル崩壊前の兆候

暴落が起こる正確なタイミングを計ることは誰にも出来ない。
だが、過去を振り返ると暴落の傾向は何となく分かる。

歴史的に見て、景気の成熟大衆の熱狂市場の過熱、が感じられた後に、大きなクラッシュが起こっている。

代表的な例を挙げるなら、1930年以降の世界恐慌、1989年以降の日本バブル崩壊、2007年以降のサブプライムローン問題だ。

これらの危機に共通するのは、崩壊前にバブルが発生している事だ。個人的にバブルを定義付けるなら中身のない過熱状態のことである。

近年、コロナショックという凄まじい世界的クラッシュが起こったのは記憶に新しい。投資家やアナリスト達は口をそろえて「誰もが予想しなかった」「起こり得ない事が起こった」と語る。
これを俗にブラックスワン(予測不能)という。

内閣府によると、2018年10月~には景気後退が起こっていたそうだ。https://www.tokyo-np.co.jp/article/45937
ちなみに2018年10月には消費税が10%に増税され、株式市場では天井を打って3ヵ月かけて大幅下落した。

その大幅下落(クリスマスショック)を受けて、俺の資産は株だけで250万円スッている。当時は眩暈動悸吐き気下痢抜け毛気管支喘息が止まらず、年末年始はずっと寝込んでいて、本当に死にそうになっていたのをよく覚えている。
それにも関わらず、世間ではコロナショックが起きるまで、一発逆転を狙ったタピオカ屋YouTuber長者、さらにはパパ活女子を買い漁るおじさんまで続々と乱立する等、日本国内を見るだけでも間違いなく舞い上がっていた。
つまるところ「大衆の熱狂」「景気の成熟」が2018年には出揃っていた。

その後、2019年~2020年1月まで、株式市場は反転暴騰し「どうせ下がっても中央銀行が買い支えてくれるし」「クリスマスショックで暴落は一区切りした」と投資家心理は楽観に包まれていた。

ちなみに2019年末、楽観相場の末期だった頃は恐怖楽観を示す指標「Fear&Greed指数」95~99高水準を維持していた

これは50を中央値とし、0~30を悲観70~100を楽観とする指数だ。過去の傾向から90を超える時点で総楽観の極みであり、暴落が近い数字になる。


景気サイクルの視点で見てみる

景気には大雑把に「好況」「後退」「不況」「回復」の4つの局面が存在する。中長期長期で分けるなら、およそ4~5年8~12年のサイクルが存在し、グルグルと循環している(超長期20~25年40~50年サイクルもあるが割愛する)

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コロナショックは2018年10月以降の景気後退期の最終局面に訪れたトドメの一撃だと考えられる。これによって2020年から不況入りが確定した

2020年3月14日に、世界の中央銀行がゼロ金利に揃える!と声明を出し、さらに無制限に強化版の量的緩和(Unlimited QE4)を発動する!リーマン後の2倍以上にも及ぶ空前絶後の金融緩和をぶっ放し、そこから株式市場は反転し始めた。

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ちなみに株価が全ての悪材料を織り込んで底打ちした時、Fear&Greed指数たったの2。この時、株式市場は総悲観の極みだった。

そして3月下旬まで株式市場は癇癪を起し、世界の株価は4月から本格的に上昇に転じ、コロナショックによる40%前後の大暴落は約半年でV字回復した。

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そして2020年春~2021年序盤にかけて日米欧の株式市場はコロナ前の高値を更新した。

さらに時は経ち、ワクチンが(主に一部の先進国)で出回ると、2021年の春相場は未来を織り込んで「回復局面」に突入した。


「不動産バブル崩壊」と「他の暴落」の違い

コロナショック('20)を含め、チャイナショック('16)ITバブル崩壊('00)アジア通貨危機('97)、ブラックマンデー('87)など、多くの暴落を経験してきた株式市場だが、これらは比較的立ち直りも早かったと思う。

しかし上記に挙げた不動産市場のクラッシュ(世界恐慌日本バブル崩壊サブプライムローン問題)は、いずれも株式市場を大幅下落させながら、景気を長期的に深刻化させた。それら3つを簡単にまとめてみる。

Case1:世界恐慌 1930年代、住宅価格が全国規模で約80%暴落した。この時、半数の住宅ローンが債務不履行に陥った。明らかに不動産バブル崩壊だ。
さらに失業率が10倍に跳ね上がり、自殺率犯罪発生率も相関しながら跳ね上がった。株式市場は約86%も大暴落するという地獄に。
ソ連を除く世界全体を巻き込んだ不況が33年続いた

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Case2:日本バブル崩壊 1989年、日本のバブル崩壊も不動産バブルが引き金になったといえる。この時も間違いなく不動産価格が高騰していた。
当時の東京都の山手線内側の土地価格だけでアメリカ全土が買えるという算出結果が出ていたほどだ。しかしここで中央銀行が急速に引き締めに入り、消費税も初導入。同時にバブルは弾けた。
そして「失われた20年」という経済低迷の通称を指す造語まで出来た。

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Case3:サブプライムローン問題 2007年末、アメリカでサブプライム住宅ローン危機が発生。これも高騰しすぎた不動産価格の崩壊だ。
翌年のリーマン・ショック(金融危機)はトドメの一撃に過ぎなかった。「資本主義の終わり」「100年に一度の大暴落」と呼ばれていた。

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これらのとおり、不動産市場が震源地となったバブル崩壊は、後に悲惨な末路を歩む傾向がある。そのため、不動産は生かさず殺さずが最適解である。

何故というと、不動産に関してはどちらか一方向に走り出すと、ひたすら上がり続けたり、下がり続けたりする。いわゆる慣性の法則が働くので、いずれ玉突き事故のように連鎖的に、他の市場にまで悪影響を及ぼす可能性が非常に高いためだ。

さらにいえば、不動産市場はバブルが発生すると、中央銀行が介入して金利を上げて引き締めに回ったとしても、コントロールが効かない場合が多いし、何度も金融引き締めを繰り返す日本バブル崩壊サブプライムローンバブル崩壊のように、風向きが急に変わって経済全体をクラッシュする事態を招いてしまう。

バブルを止める事は暴落を止める事よりも難しいのだ。

だからこそ、最初から不動産バブルが発生しないように市場を注視し続け、先回りしてコントロールするのが中央銀行の本来の役割といえるだろう。

ちなみにサブプライムローン問題では、計17回の利上げ金融引き締め)を連発した事で、ようやく不動産バブルを止める事が出来たが、逆に不動産市場は風向きを変えて崩壊へ突っ走った。その約1年後には、世界の経済・金融で重要な存在であり、158年の歴史のある由緒正しい投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻するという大きな代償を払う事になった。

比べて、2000年頃にあったITバブル崩壊は企業の淘汰と冷却だった。
その後、新興企業が次々と生まれて、次第に市場に投資マネーが戻り、市場全体に循環し、IT経済はすぐに復活した。

つまり、会社そのものは新陳代謝が早いので、株式市場全体の立ち直りも早いという理屈だ。
無形といわれる株式や仮想通貨と違って、不動産は有形であり、ゴミになってもその場に残り続けてしまう需要が無くなると暫く立ち直れなくなるというわけだ。


今後の懸念

2021年3月中旬、中国当局が「我が国で不動産バブルが起こっている」と認めた。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2103/17/news078.html

もし、これが崩壊すれば、中国を震源地とする不動産バブル崩壊が発生し、瞬く間に全世界に広がり、凄まじい経済的損失を生む事になるだろう。

さらに同時期、中国で金融引き締めの懸念が広がり、中国の株式市場は15%の大幅下落を起こした(繰り返すがサブプライムローンバブル日本バブル金融引き締めをきっかけにクラッシュしている)

さて、そんな中国市場だが、1988年あたりの日本と酷似しているデータがある。

先ほどの「バブル崩壊の兆候」の項目で説明するべきだったが、バブル相場では金融株がアンカー役となって最後まで値上がりする傾向があるそうだ。

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かつてのバブル期では、時価総額上位のうち、2位3位5位6位7位に金融系がランクインしているのが分かるはずだ。2021年に入り、日経平均は30000円に到達し、多くの人達から「コロナ禍なのに株価が高すぎる!バブルだ!暴落する!」と騒がれているが、全然そんな事はないと思う。

そもそも金融市場と実体経済は乖離している時間の方が長いからだ。

それに日本は指標で見ても割安水準であり、金融株も未だにゼロ金利の影響もあって割安水準だからだ。

かつてバブル期の相場を生きた人の言葉を引用する。

1980年代後半の株式市場のバブル相場で個人投資家が天井圏で株を買っていたんじゃないかってみんな思ってるでしょ?違うんだよな。日本の金融機関が凄まじいくらいお金持っていたからバカスカ買いまくってた。主に銀行が買って買って買いまくってバブル経済を作っていたんだ。その中で外国人投資家を筆頭に個人投資家も上手に売り抜けたんだよ

「バブル期、銀行の金利がいくらだったか知ってる?当時は6%もあった。銀行にお金を預けてるだけで6%だよ?凄い時代だった。だから銀行も稼がないといけなかった。なのに当時の配当利率は0.5%未満ばかり。今のマーケットを見渡してみなさいよ、配当金4%以上出す企業が山のようにあるでしょ?つまり市場全体は割安なんだよ。バブル相場の時は金融系がとにかく株で儲けなくちゃいけなかった。だから買って買って買いまくってた。これがバブル経済の正体なんだよ」

まるで中国人の買い占めのような話だ。そしてこれを聞くと、ほとんどの人は本物のバブルを分かっていない。今は景気回復に向けて金融緩和(金融引き締めの逆)を実施している最中だ。今は無邪気に株式市場が反発するべき局面に過ぎない。

話を戻して、現在の中国の時価総額上位はこうなっている。

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金融系4位5位7位9位10位にランクインしている。金融引き締め利上げ)をすれば金利も上がるので、金融機関は巨額の手元資金を運用しなくてはいけなくなる。こうして中国国内の金融機関が動かざるを得なくなり、さらにバブルが加速して止まらなくなっていく。

そして、景気の成熟大衆の熱狂市場の過熱、これらの条件が揃った時に中国経済に大きなクラッシュが起こると考えられる。
個人的な感想だが、今年の中国共産党百周年記念と、来年に控える北京五輪あたりが中国当局にとっての山場になるだろう。どうやってバブル崩壊を回避するつもりだろう?


最後に

大暴落は必ず起こる。バブルも必ずやってくる。その中で不動産バブル崩壊が最も爪痕を残すクラッシュになると思う。

では、もし仮にバブル崩壊がやってきた時、どのタイミングで資産を買うのが適切か?というと答えは出ている。
前回の記事「インデックス投資をしよう」に書いてあるとおりだ。

全世界分散型インデックスを毎月一定額、愚直に積み立てるだけで良い。株価が上がろうが下がろうが関係なく、だ。

株価がどこまで騰がるかとか、底打ちするのかとか、誰にも分かるわけがない。

しかし、最初のうちから長期的な目線で積み立て続ける事だけを考えていれば、心理的に揺さぶられる事なく、株式市場が安値の時に狼狽売りしてしまわずに済むうえに、結局のところ報われる可能性が高いからだ。

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まだ慣れていない部分もありますが、サクッと読める記事を目指します。