マシュマロだんご

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大林宣彦『彼のオートバイ、彼女の島』

スクリーンに浮かぶ、ちょっと先の桃源郷 これも、若いときはみなかった映画。 コウの見る夢はモノクローム。 モノクロのシーンには、コウの夢想が混じっている。 あの時代にこの映画をみて、オートバイに乗らずにはいれなかった若者がたくさんいただろう。 12歳のときに私は16になったら、オートバイに乗ろうと思っていた。この映画をみたことはなかったけど、私のオートバイに乗る気持ちの源流をたどると、知らないうちにこの映画もそのひとつとしてあったのだろう。 棒読みのようなセリフは、同じ大林

    • アッバス・キアロスタミ『桜桃の味』

      バディは車を走らせる。 クルド人の兵士見習いの若者、神学生のアフガニスタン青年、断られるごとに次の相手を物色して助手席にのせては自殺幇助の仕事をして大金が欲しくないかを尋ねてまわる。 断る人々から、金で動かない、人間だれしもにもともと備わっていたであろう良心があからさまになる。金はあっても死んでいるみたいに生きている不幸な人が、金が無くても懸命に生きている人たちの神の祝福を、金を使って奪い、自分と同じ不幸な虚無へ引きずり込もうとする。 神学生のアフガニスタン青年へ 金の

      • 『バグダッド・カフェ』をつまんないと蹴とばせる人生のままがよかった…?

        中年のはかない夢をひとときかなえるファンタジー映画 『バグダッド・カフェ』を見ようとしたのは高校生のときだった。 映画がはじまってしばらく、中年夫婦たちの喧々諤々の言い争いやヒステリックな姿が続いたのがしんどくて早送りした。歌い上げられる主題歌と乾いた映像や構図、色、全体が絶妙なマッチをしていて空気感がとてもいいけど、後半ミュージカルでまとめてあるのか…、と未熟な高校生にはストーリーがクリシェ構成に思えて、当時はしっかり観る気が失せた。 (私は幼いころから、ミュージカルへの

        • タルコフスキーの「ノスタルジア」

          タルコフスキーの映画が大好きだったのは16歳の頃だった。 彼の作品では「ストーカー」「鏡」「惑星ソラリス」が大好きで繰り返し何度も何度も観ては、途中で眠りこけたりした。たくさん作品を観たはずなのに、「ノスタルジア」は印象になかった。早送りして済ませてしまったんだろうか。 まだ子供だったので、映像美やポエティカルなものよりストーリー性があるもの、もしくは深遠さや謎めいたものが好きだった。まだ、でこぼこのすくない感性は、「ノスタルジア」は、タルコフスキー作品のなかではライトなもの

          松田聖子「ユートピア」、夏の思い出

          松田聖子の曲をしっかり聴いたのは、8歳の夏だった。 毎年、夏休みは学校の宿題を2日で終わらせ、私と弟は母に連れられて、母の実家へ1か月近く帰省する。きらきらきれいな自然がいっぱいだけど、クラスの友だちとも遊べない夏休み。自分の部屋じゃないから、いつも遊んでいるおもちゃも本もマンガもない。母は伯母さんたちと何時間もおしゃべりしている。私はとっても退屈だったので、書斎やいとこの部屋の本や漫画や音楽を手当たりしだい読んだり聴いたり、おじいちゃんの家をあちこち探索して過ごしていた。

          松田聖子「ユートピア」、夏の思い出

          楳図かずお展@あべのハルカス11/20,2022まで

          楳図かずお展へ行ってきた。 この展示は、漫画『わたしは真悟』を読んでからのほうが楽しめる。 『わたしは真悟』の続きの童話になっており、救済の物語だった。 純粋な穢れなき少年少女の清らかな魂と、大人の穢れに満ちた醜悪や悪徳との闘いは楳図先生の作品にたびたび現れるテーマである。 混雑した館内で展示された作品の物語性と絵から伝わるものを読み解くには時間も空間も不足していた。しかしながら、キリコのようなエキセントリックかつ精緻で、サイケデリックな色遣いの絵は、ちがう世界へつながる開い

          楳図かずお展@あべのハルカス11/20,2022まで

          はじめての血糖値コントロール(2)

          引き続き血糖値センサーの件。 昨日はしょっぱなからフリースタイルリブレの不良品にあたってしまったけれど、昨日の逡巡の成果あってすんなりと装着できた。 センサーつけたまま水泳OKといわれても、お風呂に入るときに洗剤がガンガン直接かかるのはやはり粘着部分にちょっとずつよくなさそうだし、タオルやら手指がセンサーにひっかかって物理的に少しずつはがしてしまいそう。今日は防水テープ貼るのに手間取ったので、明日からは手持ちがたくさんあるのでデカばんそうこうをはるようにしよう。 計測値は初

          はじめての血糖値コントロール(2)

          はじめての血糖値コントロール

          今までダイエットをまともにやったことがない。 鉄の意志のぐうたら人間なのに『糖質中毒』という新書を読んで、ようやく転機が訪れた。減量というよりは、血糖値スパイクによって血管もだが神経がいたんできて早くボケそうなことにようやく危機感を感じた。 めずらしくやる気を出して、血糖値を2週間測れるセンサー「フリースタイルリブレ」を買ってみた。しかも3つ。 用事がひと段落した本日、ようやく初装着に挑戦。 かんたんに装着できるアプリケーターがついていて、ワンタッチ!…のはずなのに、自分で

          はじめての血糖値コントロール