オオクボ マキ

BEAMSのWEBサイトでブログを書いています。note.には、より個人的なことを残し…

オオクボ マキ

BEAMSのWEBサイトでブログを書いています。note.には、より個人的なことを残しています。 https://www.beams.co.jp/staff/2362/?type=4

明日の私は、まだ妊娠しているんだろうか。

雲ひとつない青い空に桜が舞う。 満開。 なにかの映画のワンシーンのような美しさ。 こんなに美しい桜は見たことがない。 2年前の春。 満開の桜を見上げた時のこと。 お腹に愛しい我が子。 見上げた晴天の中に散る桜は、涙と嗚咽に隠されて見えなくなってしまった。 今でも忘れていない。 我が子の心臓は、お腹の中でもう動かなくなっていた。 長女を産む前も、長らく不妊治療へ通った。 2人目不妊で、また不妊治療をはじめて一年ほど。 流産。 11週の検診だった。 少し前までぴこぴこと元気に

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    • 「それでも、毎日は。」を書いた話。

      「それでも毎日は」 今日もいい天気。 少しずつ寒さもやわらいできた。 去年もこうしてだんだんあたたかくなって、季節が変わったんだっけ。 もうすぐ、春。 春は美しい。 光と影がゆらめいて、とても美しい。 天気がよくて気持ちいい日の影。 すごく濃く映る。 私の影、建物の影、電信柱の影から鳥のはばたいてゆく影。 太陽の動きと一緒に移りゆく一部だ。 こんなに眩しいのに、こんなに暗くて。 こんなにも幸せなのに、どうしてこんなに。 感情も太陽と影のように、移ろう

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      • サーカスナイト

        夜の空気が好きだ。 街が寝静まっている。 遮るものがないときは、よく集中できる。 みんなが寝静まったあと、好きな音楽をゆったりかけながら。 残った仕事や家事をする。 昨日は七尾旅人さんをずっと聴いていた。 夜によく合う、声。 名曲ばかり。 昔のことを思い出す。 娘が産まれたばかりのころ。 夜泣きが激しくて、抱っこしていないと眠れなかった娘。 ずっと、ずっと、ずっと泣いていた。 娘を抱きながら、私も途方に暮れて泣いていた。 次の夜も、次の夜も、また。

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        • 振り返ったら、春は終わってしまう。

          年々、自分を取り巻く時間がとてもはやく流れていく。 目の前にあるものが、まばたきをした瞬間、もう遥かうしろに過ぎているようだ。 そんな懐古的になることが増えたのは年齢のせいか。 春という時間、春という空気。 それはとても美しくて、とても儚い 卒業して歳を重ねても、深呼吸した空気や、頬を流れていく春風を、ふと振り返った瞬間に思い出す。 桜といっしょに、たくさんの感情が咲きはじめる。 楽しいだけじゃない、不安や緊張すべてが混ざり合って、甘酸っぱい、胸の奥が少し痛むよ

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        明日の私は、まだ妊娠しているんだろうか。

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        マガジン

        • 明日の私は、まだ妊娠しているのだろうか。
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