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『極私的ライター入門』

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ライター歴37年の私が約20年前に自分のサイト(すでに消去)に載せていた「ライター入門」を、少しずつ再録していきます。 時代の変化で内容があまりに古くなっている部分は、適宜アップ…
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#ライターの生きる道

フリーは会社員の倍稼いで同等?

「剣道三倍段」ならぬ「会社員2倍年収」 武道の世界では「剣道三倍段」ということが言われるそうだ(※)。剣道とほかの武道、たとえば空手を比べた場合、空手三段の人と剣道初段の人が闘ってやっとトントンの勝負になる、ということだ。 (※私はこの言葉を『空手バカ一代』で知ったが、元の言葉は「剣術三倍段」で、「剣術が槍術と互角に相対するには三倍の技量が必要である」という意味なのだそうだ。本題から離れるので、ここでは措く) それに倣って、私は「会社員2倍年収」ということを言っている。

アポ取りとテープ起こしさえなければ……

テープ起こしが「クリエイティブ」? ウソつけ! 私は、文章を書くという行為自体が好きな人間なので、「書くのがつらい」と思ったことはほとんどない。たとえシメキリに追い立てられようと、苦手な分野の原稿だろうと、書くこと自体は苦痛ではない。 また、本を読むことも大好きなので、資料の読み込みも、たいていは楽しい。 取材も、未知の人に会って話を聞くというのは、基本的には胸躍る体験である。 では、ライターの仕事の中で何が苦痛かといえば、アポ取りとテープ起こしである。この2つは、何年経

ライターのここが素晴らしい!

※私が考える「ライターという仕事のよいところ」6点。20年前に書いたものだが、いまも考えは変わらない。 1.通勤ストレスがない 取材時間の都合などでたまにラッシュアワーの電車に乗ると、「サラリーマンって偉いなあ」としみじみ思う。毎朝毎晩満員電車に乗るなんて、いまの私にはとても耐えられそうにない。あれはもう「ストレスの坩堝」である。 昔、安住磨奈というライターのエッセイに、「通勤電車の中で、毎日少しずつ狂っていくサラリーマンたち」という印象的なフレーズがあった。言い得て妙