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歌い手めいちゃん ワンマンツアー 「再出発」を見た


※素人が書いたものです。少しでも臨場感を味わっていただければ幸いです。
※バンドメンバーの敬称を略させて頂きました。ご了承下さい。

昨今の新型コロナウィルスの蔓延により全公演延期の後に中止となった前回のワンマンツアー「超迷惑」から約1年、念願となる全国四都市を廻る全10公演のワンマンツアー「再出発」が行われた。今回は最終日昼公演、KT ZeppYokohamaで行われた公演をレポートする。実に一年半ぶりの大箱での公演だったが改めてブランクを全く感じさせないパフォーマンスを見せてくれた。


会場に入り、一番先に目に入ったのは揺らめく波面を思わせるステージセット。そしてコポコポと水中にいるような環境音と会場の緊張をほぐすユーモラスたっぷりな親子の囁き声のBGM。大きなスピーカーと、ステージ後方に所狭しと並ぶ沢山の機材を見ると久しぶりの光景に胸が躍った。

開演時間になるとバンドメンバーが一足先に入場、背面の大きなスクリーンに船の映像が流れるといよいよ宴の始まりだ、といわんばかりに裕木レオン(Dr.)、森夏彦(Ba.)柴崎洋輔(Key.)清水“カルロス”宥人(Gt.)の最強のカルテットが会場を圧倒させると一気に非現実的な世界観へ引き込まれた。
本日の主役、めいちゃんが颯爽と登場するとフロアにオレンジの波紋が一気に広がり、ツアーのタイトルにふさわしい一曲目、「パンダヒーロー」のイントロが爆音で流れ出す。ボカロPハチの代表曲であるこのナンバーは、めいちゃんが動画を投稿(2021/3/5)する際に今回ツアーにも参加している清水(Gt.)が大幅にアレンジを施したものであり、かなり攻めた一曲となっていた。
ゴリゴリのロックをぶちかまし、その勢いで「KING」、「ジャンキーナイトオーケストラ」と歌ってみた動画の中でもかなりの再生回数を誇る楽曲を披露。この二曲の枠は日替わりになっており、「バレリーコ」や「ヴィクター」、「ナンバアナイン」、「ラプラス」などどれも人気の楽曲が軒を連ねた。すりぃの楽曲である「ジャンキーナイトオーケストラ」はかなりアップテンポで生で歌うにはかなりの難曲。それを何なくやり遂げる実力に驚かされた。

裕木(Dr.)の軽快なドラムから始まったのは2019年に発表したBRADIOとのコラボ楽曲「ホレボレボリューション」。同年12月に行われたワンマンライブ以来の披露となった今楽曲は思わず肩を揺らしたくなるポップなダンスナンバー。曲間で左右のお立ち台に森(Ba.)、清水(Gt.)が移動し、華麗なリフを披露する一場面も。
一気に会場が熱気に包まれたところでめいちゃんワールド全開のMCへ。
今回のライブのコンセプトはめいちゃんの大好物エビの王国シュリンプランド。そのコンセプトに合わせてエビのコスプレをしたスタッフが毎回海老料理をステージ上にデリバリー、大きな拍手で迎えられた。本公演は横浜という事から中華街に合わせて海老焼売。これまで幾度となくライブに通ってきた筆者も本番中に食事をするアーティストはめいちゃん以外に見たことが無い。

かなりカオスな雰囲気はそのまま次の楽曲へと移る。
ラテンなイントロから続くのはツイキャスでの配信でBGMとしてめいちゃん自身が作った」トスリーマの祟り」。(トスリーマの由来は逆から読むとマイリスト※ニコニコ動画で好きな動画をお気に入り登録できる機能)かなり独創的なフレーズが連なる正に魑魅魍魎なこの楽曲をまさか歌うとは思わなかった、そんなリスナーも多かったのではないか。

終始和やかな雰囲気から一変、ザラザラとした重低音がフロアを大きく震わせたのは柊キライ書き下ろし楽曲の「メビウス」。裕木(Dr.)のドラムがフロアにほとばしる度に会場全体がメビウスの持つ妖艶かつ艶美な色に染まった。力強さを残しながらも伸びのある歌声とバンド陣の楽しげな様子が印象的で、もう一度ここで聴きたい、と思える中毒性の高いナンバーだった

ここからは二曲連続でラブバラード。配信限定シングルである「水滴」では会場が水色のライトに照らされ、切ない歌詞を乗せつつも柔らかなメロディーが一体を包み、穏やかな時間が流れる。その後の「話してよ」、では涙ぐみながらステージを見つめるリスナーの姿もあり、ぽっかりと空いた時間の空白を少しずつ埋めていく様子に胸が熱くなった。
バックスクリーンに小さく花火が上がると「季節と私の話。」がゆっくりと流れ出す。暗い部屋の片隅で聴きたくなるこの曲、思わず会場に居るのを忘れてしまうようで、柴崎(key)と清水(Gt.)の紡ぐ静かで繊細な音色が感傷に浸せてくれた。
目を開けると祭りの赤提灯のようなライトが視界を眩ませる。浅草、雷門が象徴的なサムネイルの「東京は夜」。和の香りを纏いながらもジャズの要素を含むこの楽曲を大人の色気たっぷりに歌い上げた。動画投稿の際コラボしたnqrseは今回音源での出演となり、nqrseのターンになると自然と会場にピンクの灯りが宿った。


アンコール前ラストは横浜アリーナ(2019年9月オールナイトニッポン0 presents XYZ TOUR出演時)でのライブ映像がyoutubeに投稿されたことでもお馴染みの「ライムライト」。ラスサビ前にジャンプを促し、声を出せないながらも会場全体で一体感を味わうことが出来た。感染症の拡大前、ライブの回数を重ねるたびにコールアンドレスポンスの熱量が増していったこの楽曲は歌い手めいちゃんを語る上では絶対に欠かせない1ピースだ。

アンコール代わりの拍手で白いグッズTシャツを纏って再登場しためいちゃん一行。アンコール一発目は森(Ba.)のエッジの効いたベースが特徴的な「ブライトサイン」。ミラーボールがキラキラとフロアを照らし、会場は一気にダンスフロアへと変貌を遂げた。和気あいあいとした雰囲気が終演へと近付いているようで少し名残り惜しい。ちょっぴり大人な空気はそのまま蜂屋ななし書き下ろし楽曲「シャボン」へ。

__ずっと願ったステージで好きに歌ってたいだけ
                            
そんな想いが水泡に帰す形になってしまった昨年の全国ツアー。何度も崩れそうになりながらも現在進行形で積み重ねた彼の努力と音楽への情熱が観客の心に温もりを宿した。

写真撮影を終えて、フィナーレを飾るのは先日1000万回再生をマークしたHoneyWorksとのコラボ楽曲 「小悪魔だってかまわない!」 。曲中、指で銃を作りばっきゅーんとファンたちを狙い撃ち。最後の最後まで笑顔を絶やさず大団円で本公演の幕引きとなった。

___後ろまでまんぱんにお客さんを入れて、声も出して、そんなライブをまたしたい。

そう強く語っためいちゃん。これまでの当たり前が実現できない今、全国を回っても県外への移動の制限の為来場が叶わないリスナーが多いのも現実だ。
そんな中で先日、本当の意味での千秋楽とも言えるオンラインライブの開催を発表。今回注目すべきと考えるのは有観客ツアーと連なっているという点。悔しくも来場を控える形となった沢山のリスナーを全部巻き込んでまた1からリスタートする、そんな彼の強い想いが詰まったオンラインライブになることを願うばかりだ。配信は9月11日(土)19:00〜。是非チェックして欲しい。

公私共に慕う歌い手Geroと共にYouTuberグループ肉チョモランマのメンバーとしても活動するめいちゃん。持ち前の愛嬌とトーク力を持ち合わせた彼だが、その本質を垣間見ると、やはり楽曲へのリスペクトと音楽への情熱を絶やさない実力派歌い手であった。

今後もめいちゃんの活躍から目を離せそうにない。


めいちゃんワンマンツアー 再出発
2021/08/11 昼公演セットリスト

M1パンダヒーロー
M2KING
M3ジャンキーナイトオーケストラ
M4ホレボレボリューション
-MC-
M5トスリーマの祟り
M6メビウス
M7水滴
M8話してよ
M9季節とわたしの話。
M10東京は夜(feat nqrse)
-MC-
M11ライムライト
enc
M12ブライトサイン
M13シャボン
-写真撮影-
M14小悪魔だってかまわない!

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