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未来への指標

 映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌であるAdoさんの『新時代』の冒頭部分に「新時代はこの未来だ」とあるが、「この」という“連体詞”は何を指しているのか考えるとやや不思議な想いに駆られる。詩の奥ゆかしささえ感じる。短い文章であるが故に、色々なことが想像できる。そこが詩の面白さだろう。恐らく、短歌なども遊び心満載で愉しんだことも想像に難くない。
 また、北校舎の西階段にこっそり掲示したポスターは、図書館のリノベーションを盛り上げることを意図したものだが、「図書室に逃げた。本の中までは、誰も入って来れなかった。」とある。通るたびに目に入るから読むのだが、そのときの気分やらによって少しずつ解釈が変わる。そもそも今の私は、昨日の私とは違う。動的平衡よろしく、細胞は日々新しく入れ替わっているし、色々なことを新しく知ったり、数多の体験をしたりしているので、同じ自分たり得ない。つまり、同じように考えることの方が難しい。空の雲のように、同じものは存在しない。そういう意味で変化そのものを愉しむのもいい。
 さて、タイムマシーンが実現できるかどうかは興味深いが、それよりも時間というものは不思議でならない。生まれて死ぬまで止まることなく、万物共通にして流れていると思い込む。概念は人間が作ったのだが、創造したのは果たして神様なのか。そもそも、現在という“時間”は存在するのだろうか。過去は過ぎ去ったものであり、個々の思考の中でしか捉えられない。未来は訪れていないのだから、これまた未知の世界であり想像の領域である。ようするに、過去や未来という時間は今ここには存在しない。現在というのは過去からの集積の結果であり、未来への流れの中でただ位置づけられているのみである。これについては古人も現在の学者も大いに悩ませる難題。しかし、分からないし、存在しないからこそ、儚くもあり、ロマンチックでもある。絶対的な答えなどに辿り着けず、我々が自由に想像できる余白が多いからこそ、魅力溢れるのではなかろうか。
 桜は、艶やかに咲く時期が決まっている。そのときの気分によって、花の色が変化することはない。ましてや、時期が夏になることもない。不思議ではないか。春にしか咲かない。そこまでは耐えて、春にのみ咲くことを桜は知っている。咲こうという意思があるのではなく、生き伸びるために咲く。そこには凄まじい生命力を感じる。咲いている時間が短いからこそ、何とも言えない味わい深いがある。これらは人生の芸事でも同じで、いきなり開花することはなく、日々を味わい尽くし、研鑽を積んでいくことで花を咲かせることができる。どんな花が咲くかは分からない。もし、目指す未来があるならば、その地点から今という時間を鳥瞰してみたらどうだろうか。今やっていることはすべて使命であるから、今の延長線上にあなたが丹念に育てている“あなた”という立派な花が咲くだろう。
 
 앞으로 걸어가 당당히   세상에 단 하나뿐인 나니까
 私はこれから歩いて行く堂々と   この世でただ一人だけの私だから
(イ・ソンギョン『난 나를(私は私を)』
     ドラマ「アバウトタイム~止めたい時間~」より)


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【Q147】争いごとはなぜ起きるのでしょうか。
【A】質問してくれたあなたは優しい人なのですね。人と争いたくないという思いなのでしょう。そういう人ばかりだったら、戦争も起きないに違いありません。ただ、何を正しいと思うかという「正義感」の基準は国や人など世界観、宗教観などによって様々です。人間の遺伝子的にいえば、縄張り意識やら、人を守りたいという意思もあります。それを侵されてしまったら、どういう感情になるかという話になるでしょう。私も争いごとは好きではありません。でも、どうしても自分中心で考えてしまい、自分が正しいと勘違いしてしまい失敗だらけです。だからこそ、世界にたくさんの人、そして生き物が存在して、それらをありのままに受け入れる気持ちができたらいいなと思います。難しいですが。

【Q148】もしも当時、科挙を受けていたら合格できたと思いますか。
【A】勿論です(笑)。甲種危険物取扱者試験、毒物劇物取扱者試験とは比べ物になりませんが、受かるためにはとことん学習しました。それは教員採用試験も同じですが。受験者の誰よりも学習したと思います。そう考えれば、大学を受験するときも、もっと戦略を練っておけばよかったですね。だから、皆さんは使命を全うするべく、ぜひ「計画的」に学習していくと良いと思います。

【Q149】高校生活で印象に残っていることを教えてください。
【A】中学校でも新校舎を建てるということでプレハブ生活でした。建て替える前に、黒板消しを投げて、ガラスを割ったことがあります。そして、高校1年生になっても本校建て直しによりプレハブ生活でした。だから、今ある北校舎には少ししか居られませんでした。懐かしいですね。

【Q150】好きな食べ物は何ですか。
【A】以前いただいた質問ではありますが、書き忘れていたものがありました。好きなのに忘れるとは…(笑)。土瓶蒸しが大好きです。なかなか国産まつたけには出会えませんからね。貴重です。恐らく、和食のいのちともいえる“だし”が好きなのでしょうね。だから、茶碗蒸しも好きです。それから、だしではないですけど、飛行機内でコンソメスープを初めて飲んだときめっちゃ感動してしまいました。あの味が忘れられません。同じく初めてで言うなら、沖縄に修学旅行で行ったときにシークワーサージュースを飲んで“旨い”と驚きました。ペットボトル10本くらい買って、ひたすら飲んでいました。さんぴん茶(ジャスミンティー)を初めて飲んだときはどうかなりそうでしたが、不思議と人間は慣れてしまうもので、今ではさっぱりしている味が好きで、ときどき飲みたくなります。

【Q151】ちょっとした韓国語、英語講座みたいなものを記事にしてください。
【A】今回は韓国語について触れます。韓国語を勉強しようと考えたのはKPOPに興味があったからという理由は大きいですが、アルファベットの語学ではなく新しいものに挑戦したかったからです。アルファベットではないので、文字に慣れることが第一関門でした。何となく文字は読めないですから。
 まず、“キムチ”はハングル文字で表記すると「김치」となりますが、未だに慣れないのはパッチム(下につく文字)の発音です。きちんと「ム」とは音を出しません。つい発音したくなってしまうのですが。 口を噤むだけです。このパッチムは発音することよりも聴き取る方が難しいですね。
 たとえば、日本語でパンダの「ン」も、語彙によっては異なる発音をします。また、文章中では「は」を「わ」と読むことがあります。どうしてでしょうか。意外と言葉というのは文法など知らずに喋っているのです。だから、その経緯を探ってみるのも面白いですよ。

2023.1.20

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