言葉が通じない怪獣を撮影してもすべて不同意
雨は降らなかったが、きょうも朝から重たい雲が低く立ち込め、梅雨明けはまだ先のようだった。
ゆっくりと、だが確かに明るさが失われゆく街頭の片隅で、それでも彼女のスマホはギラギラと、粘るように輝いていた。やたらに小さく体に張り付いた怪獣コラボカットソーに、大きなお尻をぴっちり包んだリブ編みのショートパンツは、やけに肌を露出してる割に、セクシーと言うよりは危なっかしさを漂わせてる。
その危うさを活かすよう腰だめノーファインダで構図を合わせながら、すれ違いざまにシャッタを切る。