あの日、食べ損ねたプレミアムなグラノーラ
立春は過ぎたといっても驚くほど暖かな夜、ネットTVの窓をたたんで通話中の女を気遣う。そうすると、こんどは薄壁一枚むこうの台所から切れ切れに聞こえる声が気になり、複数ソーシャルメディアを一括表示するクライアントを前面に出す。わずかの間に未読が山をなしていた。嫌な予感を確かめるようにタイムラインを流すと、在日だのフェイクニュースだのまとめサイトだのといった文字列が目に止まる。どうやら火元の雑居ビルにはコリアンパブと朝鮮系の金融機関が入居していたらしく、既にネットの話題はその方向