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長い物語の終わりに立ち会う話

 私が「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」に出会ったのはアニメ化の発表された2017年でした。1巻の初版が2014年ですので、出遅れというのは自覚しています。何しろ「長いタイトルのラノベ」=「俺強えハーレムもの」というイメージがずっとあって避けていたのです。アニメ化がきっかけで読み始めたのですが、それも内容ではなく大好きな声優の新井良平さんがメインキャストに選ばれたからという理由でした。アニメの放送開始前に基礎知識を得ておこうと読み始め、これは「俺強えハーレムもの」ではないととても深く反省したのを今でも覚えています。

 アニメは小説の途中までを描いています。(2017年放送のアニメのネタバレに配慮する必要があるのか悩みましたが、一応伏せます。)アニメの先を小説で追い、幸せなシーンではほっこりし、辛いシーンでは緊張でページをめくる手が震えたりもしました。今でも読み返すたびに辛いシーンは辛いままです。

 そんな彼らのひとつの旅が終わって続編の「終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか?」にたどり着きます。新しい出会いと新しい戦いにドキドキしながらページをめくっていきました。

 その新しい旅ももうすぐ終わりです。2021年8月1日発売予定の11巻で、私が彼女と彼らの旅を見届けるのも終わりです。最終巻です。どんな終わりでもちゃんと受け入れようと大切に10巻を読み進めています。

 ちゃんと物語の終わりに立ち会えるのはとても幸せなことです。

 長い長い連載をしていた作品が未完のまま終了を迎えてしまいました。私自身も続きを楽しみにしていた作品でしたのでとても残念でしたが、ずっと作品を追っていた家族やTwitterで繋がっている方の落胆ぶりは見ていて辛かったです。だからこそなおさら、物語の終わりに立ち会えるのは幸せだと思えるのです。

 クトリとヴィレム、ティアットたちの旅の終わりが幸せでありますように。あと一か月、心穏やにして待ちたいと思います。


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