店長の採用基準は?
あるスタッフから言われた言葉である。否定的にも肯定的にも取れる言葉だが、この言葉の背景と、私が店長として採用し、「全力をかけて人材育成しよう」と思えた人材についてお話ししたい。
こんばんは。
今回は私が店長時代に、「全力をかけて人材育成しよう」と思えた人材についてお話しよう。
現在は大学1年生として学業に専念しているが、今年の4月末までドラッグストア店で店長を務めていた。
医薬品や化粧品など、「接客力」が必要な業界で私がどのような人材を採用していたか。
それは
「自分の苦手なことを克服したい」という意志がある人材である。
その意志を持ってさえすれば、はたからみれば人見知りや非接客向きな性格の子でも採用した。
何故か、それは自分と向き合えている、成長しようといているからである。
採用する側としては、接客業ではほとんどの場合、接客向きの人当たりの良い印象の子たちを採用したがる。
しかし、私はそうでなかった。
自分と向き合える、苦手な人とのコミュニケーションを克服したいという意志が本人にあるのなら、
接客業のプロが教えてあげればいい。
手当たり次第に採用しているわけではない。
面接の中で人見知りなりに自分のことを伝えようとする姿勢を確認し、業務内容を詳しく説明した上で2週間程度開けて、本人に再度希望を聞いた。
本人がここで、私の元で働きたいと言ってくれたなら、私は全力で応援した。
1日に何度も話しかけ、彼らの苦手への認知がどう変化しているのかを把握しつつ、レベルに合わせた業務を与えた。
最初の1ヶ月
多くの場合、私以外のスタッフとラフな会話をしてるところは見かけなかった。でも少しずつお客様の目を見れるようになっていた、
この頃はまだ「店長、なんであの子採用したの?」とマネージャーに聞かれることもあった。
半年後
彼らは突如として才能を開花させた。自らお客様に笑顔で、自分が手伝えることがないかと声をかけるようになっていたのである。さらにはプラスワン販売での成績も店舗内で上位に上がっていたのである。
私が考えるに、「人見知り」とは才能だ。
自分が他者からどうみられているか不安になる。それは、他者が抱く気持ちをも敏感に感じとることができる。自分と同じように、声を掛けたいけどかけられない、そんなお客様に気がつくことができるのである。
彼らが意志を曲げずに、苦手を克服するためのステップをあきらめずに進められたことも一種の才能であろう。
「店長の採用基準って、変ですよね。」
人見知り2号本人から言われたことである。何故自分を採用してくれたのか疑問だと言われたのである。
決して私の採用基準は変ではない。全力で否定する。
「採用基準は伸び代だ。君は伸び代が天才級だったんだ」と茶化しながら返したのを覚えている。
そんな人見知り2号くんは、今春からある企業の教育部に配属されたんですって。仕事をしていてこれほど嬉しいことはないよね。こんな人を増やしていくために私も大学生頑張るからさ。
世の中の人見知りさんにも、もし同じような悩みが、意志が、あるのなら一歩踏み出す勇気に繋がれば嬉しい。
長文読んでいただきありがとうございました。
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