自己紹介④〜うつは続くよどこまでも〜

ご拝読いただきありがとうございます。
前回からの続きとなります。


「お母さんからだったんだけど、
お父さんが泣いてるんだって。
『とんでもない奴に娘を嫁に出してしまった』って。」

どういうこと??

「会社のSさんが、お父さんに言ったらしいんだけど、
あなたが、会社の控え室で急に奇声をあげるとか、
毎週、風俗に通ってるとか、
男性社員の股間を触って喜んでるとか。」

は?意味がわからない。

「意味が分からないよね。
だから、私は
お父さんもお母さんも、それを信じるの?
って言ったの。
3年間、一緒に働いてきて、他人から言われたことを鵜呑みにしてるの?
お父さんもお母さんも何を見てきたの?って。

そしたら、私たちも急にそんなこと言われて訳が分からないって言ってた。

だから、もういいって言った。

明日から、もう会社には行きませんって。」

私は、思考回路がショートしてしまい頭が真っ白になった。
と同時に、身体中の血の気が引いていくのを感じた。

うつ病になったことある人は経験あるかも知れません。
血の気が引いて、何も考えられなくなる状態です。

そんな訳ないじゃん。
なんで?

なんで?

なんで?

「うん。私はわかってるよ。そんな訳ないのは。
ずっと私は見ているから。

うちの親は、でも、Sさんの言うことを鵜呑みにしたし、あなたのことを信じなかった。

少なくとも、一方的な言葉しか信じなかった。

だからもういいの。
あんな人たちがいる会社に行かなくても。

もし、あなたが地元に帰りたいなら、そうしよ?
私は親子の縁を切ってもいいと思ってる。
私も一緒にいくから。」

ちょっと考えさせて、、、。
ショートした思考回路を少しずつ繋げていくように、私は考えました。

まず思ったのは、
妻が、親と縁を切ってもいいってのは、よくない
というのを最初に考えました。

次に、Sさんはなぜ、そんな嘘とすぐ分かるようなことを、

いや、義父母は、信じたのだから違うな。
でも、私に確認すれば、嘘とバレるのは間違いない。
なんでそんなこと言ったの?
なんで?

なんで?

なんで、、、、、
、、、、、、、、、!!!

あぁ、


そうか、、、、、。
私を陥れたかったんだ。

というのも、Sさんは、私が入社する前からいる従業員です。
そして、いつも社長の金魚のフンでした。

Sさんは、気に入らない人がいると、社長にその人の悪口を言い、社長を丸め込む。
社長は、普段、現場にいる訳じゃないので、それを信じる。
そして、その人がミスをした時、その先入観がある社長は、怒鳴り散らす。
その人は会社が嫌になり辞めていく。

少なくとも、私が入社してから、それで辞めた人は5人はいました。

そういうことをする人でした。

ただ、私はそういうのが嫌なので、Sさんの標的になった人をフォローしていました。
相談に乗ったり、食事に誘ったりもして。

恐らくそれが気に食わなかったのでは。

また、Sさんは、自分の方がずっと前から働いているのに、入社して間もなく私が工場長になったのも気に入らなかったのではないか。
でも、娘の婿だから、そこは仕方ないと思っていたはずだけど、私が娘婿でなくなれば、、、

そう考えると全てが繋がります。


私は、義父母のことを、自分の親と同じように思いたいといつも考えていました。
もちろん、会社では社長と従業員ですが、プライベートでは、そう思っていました。

でも、向こうはそうではなかったのです。

親なら、自分の子どものことを、他人からそのように言われて、すぐに信じるでしょうか。
たとえ義理の息子でも。

私の親がもし、妻のことを他人から悪く言われたなら、その言ってきた人に、
「私の娘のことをそんな風に言わないで!
そんなの信じません!」
と言ったのではないだろうか。

親なら、子どもを守ってくれるんじゃないだろうか。

親なら。

そのことを妻に伝えました。

次の日の朝、
私が起きると妻はいませんでした。

??

慌てて、妻に連絡を取ろうと携帯を取ると、
妻からLINEが来ていました。

『もう会社には行かなくていいよ。』

私の仕事で着る服や、使う持ち物は全てどこかに捨てられていました。

その日から私は、ただただ、1日中、ソファーに座って過ごしました。
テレビを見ることもなく、スマホをいじることもなく、ボーッと座っているだけです。

妻は、仕事から帰ってくると、普段と変わらず話しかけてくれました。

そして、数日後、妻から
「メンタルクリニックに行ってみない?
私も着いていくから。」

つづく

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