Mリーグ2019レビュー① EX風林火山編
シリーズでお伝えする今期のMリーグの総括編。
8チーム29選手の今期の試合内容を、独自の指標で査定を行います。
第1回目のレビューは今期年間総合8位、EX風林火山を特集します。
チーム総評:中盤戦から和了に見放され、放銃増加の悪循環に陥る。堅守が崩壊し、最後まで立て直せず。
今季の総合8位、そして最終日には殆ど条件を残せず惨敗を喫した原因は何なのか?リーグ序盤では持ち前の堅守を武器にサクラナイツとの首位争いを演じていた。
こちらをご覧いただきたい。チーム順位の移り変わりである。グラフの黒色が風林火山だが、10月・11月を上位4チームの圏内でまとめていた。しかし、12月に入って事態は一変する。
12月の中旬、#95付近からチーム順位は下降線。1月に入ると完全に下位2チームとして置いて行かれ、そのまま成すすべなくレギュラーシーズンで終戦を迎えた。この第95戦は風林火山にとっては正に悪夢。あの黒沢咲選手に100ptsオーバーを叩かれ、出場の滝沢和典選手は▲92.8ptsというMリーグ歴代ワースト記録を記録してしまったゲームであった。
レギュラーシーズンの前半戦、格闘倶楽部もABEMASも一時は最下位を経験している。なんとか▲200ptsの水準で踏ん張り、この防衛線を死守したことがレギュラー勝ち上がりの要因となりえた。急降下した12月、そして#140付近での連敗によりドリブンズにも躱されたのが致命傷だった。
上記は第90戦(第45節)までの打ち筋データである。ご覧のとおり風林火山の放銃率は8.87%とリーグトップ、1試合平均放銃回数も1.14回とパイレーツと並んでトップタイである。
上記はレギュラーシーズン90試合のチームデータである。
後半戦では明らかに放銃が増え、和了率も減少するという悪循環に陥った。後半戦45節(46試合)では536局で和了回数88回、和了率は16.42%と前半戦と比較して4ポイント以上の下落となった。最終盤は条件戦も相まって仕方のない放銃が増えることはやむを得ないが、歯車が噛み合わず和了から見放された後半戦の出来が、予選で姿を消すという結果となった。
選手別総評
二階堂亜樹選手:飲み込まれた舞姫、打点乏しく弱火のシーズン
【査定】攻撃E 守備B 加点効率E 運D 総合査定E
登板は20試合に抑えられチーム最小出場となった。トップ率15%、連対率35%、ラス回避率60%と全て平均を下回り、1試合平均スコアは最下位となる。
敗因は明らか。あまりにも攻め手がなさすぎた。親の平均打点は6,160点と、これは魚谷選手(今季平均打点リーグトップ)の子の平均打点より低い。(シーズン通算:7582点)
対局の粘り具合でもやや不満。流局聴牌率23.91%は昨季からの継続しているタイルとしても、連荘率が21%ともなると、一撃打点の低さからすると見合わず、慢性的な火力不足も相まって低迷の要因となった。
滝沢和典選手:トップ取りルールのMリーグではあまりにも痛い勝ちきれない症候群
【査定】攻撃C 守備C 加点効率C 運B 総合査定C
35試合登板で素点が▲33.2ptsに留まり、踏み止まった印象はあるが持ち点40,000点overとなった試合がわずかに4試合で『小さく勝ち、大きく負ける』シーズンだった。結果、トップを取り逃す試合が続きトップ以外では5ptsが引かれるオカがずっしりとのしかかって負債となった。
攻撃指標も守備指標も際立って悪い指標は見つからず、昨年の小林剛選手のようなゲーム展開の悪さによってポイントを落としたと言ってよいだろう。
勝又健志選手:ラスも多いがトップも多く、最終的にはプラススコアをもぎ取る
【査定】攻撃D 守備C 加点効率B 運D 総合査定C
苛烈な攻撃のタイプだが、親番平均打点はリーグ平均並み。子の平均打点がリーグ下位となりキックに徹していた。聴牌料をもぎ取り収支は+32ptsを稼いでリーグトップ。流局時の聴牌率は4位と不調のチームの中で粘りを見せた。
チームメイトの滝沢選手との明暗を分けたのはトップの獲得率。ラスも多くなったが、オカの20ptsを最大限に生かせたのがスコアが伸びた原因となった。
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次回は、年間総合7位 赤坂ドリブンズのシーズンレビューをお届けいたします。