Mリーグ2020優勝条件考察(Day4終了時点)

佳境となった今季のMリーグ、残り4試合で上位2チームが抜け出す展開となり、ほぼ一騎打ちの様相を呈してきた模様となってまいりました。
残り4試合の条件について過去のデータを踏まえながら考察して参ります。

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暫定総合1位 渋谷ABEMAS +226.3pts
暫定総合2位 KADOKAWAサクラナイツ +225.7pts

注目の優勝戦線の主役はこの2チーム。残り4試合の状況でその差は僅か0.6pts、素点換算ではたった点棒600点しかない横並びの状況となっています。
条件はシンプルで【とにかく相手より勝ち星を積み重ねること】。トップを取ると2着でも40ptsの差が付くこのルール。トップラスの場合は順位点だけで80ptsが付くのでトップラスを作った方が一気にシャーレに近づきます。

では、過去の直接対戦データ(Mリーグ成績速報手元の集計、昨シーズン216試合+今季ここまで212試合=合計428試合のデータを参照)をざっくり確認してみましょう。

【今季】
サクラナイツ 21勝 vs. ABEMAS 35勝(勝利の定義は相手より着上であること)
相対ポイント差 453.3pts ABEMASの勝ち越し・サクラナイツの負け越し
【通算対戦成績】
サクラナイツ50勝 vs. ABEMAS 68勝
相対ポイント差603.5pts ABEMASの勝ち越し・サクラナイツの負け越し

過去118試合を遡りABEMASがサクラナイツに18勝勝ち星先行と、データ上ではABEMASに分があります。

今季のみの個人間における直接対戦成績では
【サクラナイツ vs. ABEMAS 個人間対戦成績TOP3カード】
◆サクラナイツ
内川選手vs白鳥選手 282.5pts
内川選手vs多井選手 151.6pts
堀選手vs松本選手 124.8pts

◆ABEMAS
多井選手vs堀選手 200.4pts
白鳥選手vs堀選手 161.9pts
松本選手vs内川選手 144.0pts


サクラナイツサイドでは内川選手が対ABEMASにおけるキープレイヤー。
そして堀選手も後輩・松本選手に容赦など微塵もないデータを残しています。
ABEMASサイドはその堀選手を多井選手・白鳥選手で挟撃。また、キーマン・内川選手には松本選手が高相性のデータ。

そしてこのベスト3には入らないが注目のデータは日向選手
今季のサクラナイツの対戦成績は

日向選手vs内川選手 60.3pts
日向選手vs岡田選手 126.5pts
日向選手vs沢崎選手 57.7pts
日向選手vs堀選手 37.1pts


なんと、サクラナイツ相手に全選手勝ち越しのデータを残すサクラナイツキラー。残り4試合よもやの「戦術・日向藍子」の可能性もあるでしょうか?

暫定総合3位 EX風林火山 +31.0pts

2チームに置いて行かれた展開の風林火山。逆転優勝のシナリオは辛うじて、ほんの僅かながら残す状況。
現在サクラナイツ・ABEMASと約196pts差となっている状況で残り4試合。
優勝するには2チームに対して約200pts勝ち越すというミッションです。

ここでMリーグ3シーズン通算・過去592試合分のデータを確認します。
トップラスで付くポイントは約119pts・以下トップ3着で約86pts・トップ2着では約55pts差が付く統計です。

よって、トップラスとトップ3着をそれぞれに対して獲得した場合は双方と200pts縮まりますので、数字上は2勝かつ2試合ともABEMASとサクラナイツに3着とラスを1回ずつ引かせれば優勝の目が出てきます。
逆に、ラスを1試合でも引くと統計上は3着ラスでも33pts、2着ラスでは64ptsの差が付くので残り3試合で264pts逆転かつ233pts逆転となると、3連勝条件かつABEMAS・サクラナイツが残り3試合全逆連対という現実的ではない条件が残るので、その時点で優勝戦線からは脱落となります。
また、サクラナイツ・ABEMASに1試合でもトップを取られると差が約255ptsに広がるので、残り3試合で255pts差逆転=トップラス2回かつトップ2着1回と3連勝条件orトップラス2回かつ、残る1試合でも相手がラス→相手方の3連続ラス条件 と、いずれにせよ非現実的な条件となり、このパターンでも優勝戦線からは脱落濃厚。

よって、風林火山は3勝が必須かつ残り4戦でABEMAS・サクラナイツを共に逆連対3試合以上、というかなり厳しい条件となりました。
また、先ほど述べた通りラス引きまたはABEMAS・サクラナイツのいずれか1チームが1試合でもトップを取った場合はほぼ終戦の条件となります。

よって、現実的な選択肢としては月曜の結果次第で総合2位狙い、あるいは、入れ替え規定回避のための総合3位キープに徹して、ドリブンズに対して激辛に打つという戦術も十分に考えられます。

暫定総合4位 赤坂ドリブンズ ▲95.3pts

ファーストシーズンの王者がよもやのノートップ、苦しい展開となったのはドリブンズ。残り4試合全勝は必須として、優勝条件を考察してみます。

先ほど述べたとおり、トップラスで約119pts・トップ3着で約86pts・トップ2着で約55pts縮まる条件ですので、ABEMAS・サクラナイツとの差321ptsを埋めるためにはトップラス2回とトップ3着2回を双方に付けると約410pts差が埋まるので逆転条件をクリア。かつ、風林火山に対して55pts差×4試合=220pts差が縮まるので風林火山とも条件クリア数字上は優勝のパターンが残されています。
トップラス2回・トップ3着1回をABEMAS・サクラナイツに付けて3勝した場合は、トップ3着1回のチームに対して統計上は約40pts届かず。この場合は計算上2着ラスかつ風林火山がトップのみ条件が残る計算。3勝のケースでは逆転条件の組み合わせが1通りしかない条件です。

よって、ドリブンズは4連勝かつABEMAS・サクラナイツに3着と4着を2試合ずつ、という条件でしか優勝条件が残っておりません。
視点を早くも賞金狙いに切り替える場合はとにかく風林火山より着上という戦略が明日のDay5から見られるかもしれません。

結びに

放送本編では触れられておりませんが、Mリーグの優勝賞金は5,000万円、2位以下にも賞金があり、2位は賞金2,000万円、3位は賞金1,000万円が設定されております。
いわゆる「目無し問題」(優勝が非現実的となった場合、そのチームの立ち回り)が発生した際に、何が何でもトップでなければならない、つまり、優勝以外は無価値というオール・オア・ナッシングの状況ではないという事情があるということをご理解してもらうと、最終盤の局面での打牌意図が見えて参ります。
逆にオフィシャルの方でアナウンスが無い場合は、視聴者の疑問の発生源(なぜ優勝を狙わず総合2位・または3位確保に徹したのか? など)となりかねないので、可能であればそういった情報も放送の冒頭などで触れてもらえればより視聴者ファーストの中継となるかと思います。

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216試合の長旅も、あと4試合で終着駅に辿り着きます。
誰もが夢見た最果てでのシャーレアップ、この場に立てない4チーム・15選手とそのサポーター、自軍の背後に控える大応援団、この熱狂に駆られるMリーグファンの想いを背負い、136牌を巡る攻防はクライマックスを迎えます。

あと2日間、もっとこの熱狂を外へ、データを通じてお届けして参ります。