Mリーグ2019レビュー② 赤坂ドリブンズ編

シリーズでお伝えする今期のMリーグの総括編。
8チーム29選手の今期の試合内容を、独自の指標で査定を行います。
第2回目のレビューは今期年間総合7位、赤坂ドリブンズを特集します。

チーム総評:スタートダッシュ失敗と21連続トップなしで大ブレーキ。後半の猛追もカットラインチームの宿命で一歩届かず。

2018シーズンを制覇した『完全実力主義』のドリブンズ、ディフェンディングチャンピオンとして挑んだ今シーズンはまさかのレギュラーシーズン敗退。新加入の丸山選手は10試合登板、残る80試合をオリジナルの3人で担当しており、不調時の4枚目のカードが切れなかった。

【確定】レギュラーチーム打ち筋

年間総合8位の風林火山と同じく、和了欠乏症に陥りチーム和了率は18.69%とリーグワースト2位の記録。強者の宿命か、先制に対して他者は相当厳しく打ち流局聴牌率は47.04%と群を抜いたリーグトップ。聴牌料だけで+63,000点と、「ドリブンズだけには放銃しまい」と7チームから牽制され、チャンスが実らなかったのも要因の一つか。
序盤のスタートダッシュに躓き、12月はトップなしと地獄を見てきた。その間21試合ドリブンズはトップから見放され、最終盤に猛追で逆転の通過を目指したが逆ボーダーチームの宿命、上位6チームの共同戦線の前に惜しくも散った。

選手別総評

園田賢選手:空中戦を仕掛け、制空権を得ようとしたが和了が遠く天運にも見放され撃墜。

【査定】攻撃E 守備C 加点効率B 運E 総合査定E

04園田レギュラー

この選手のシーズンは悲惨としか言いようがない。お得意の空中戦に持ち込む姿勢を見せ、副露率は32.83%とリーグ2位。しかしあまりにも和了に結び付く回数が少なすぎた。全副露局数が108局、うち和了まで持っていけたのは26.85%と全選手の平均30.75%を大きく下回る。また、平均打点も親では全体の21位、子では27位と低迷。トータル26位の火力はあまりにも乏しすぎとなり攻撃指標はほぼ全滅。
調子の悪いときは天運も味方せず、ドラにも裏ドラにも嫌われる。和了時にドラが1枚あるほうが珍しく、裏ドラ的中率は12.50%、リーチ時の裏ドラ平均枚数は0.16枚と目も当てられない。
年間トータル▲377.6pts、順位点だけでも210ptsを失い大スランプの2019シーズンとなったが、切れ味の鋭い鳴きは健在。2020シーズンに再び制空権を奪取し、鳴きの魔術師の復活を期待したい。

村上淳選手:不調のチームで孤軍奮闘、44歳独身ムラムラタイム発動に成功

【査定】攻撃A 守備A 加点効率C 運B 総合査定A

05村上レギュラー

不調のチームで特に後半戦で大爆発した。素点+151.7pts、順位点とオカで215ptsを稼ぎ最終盤まで魚谷選手との個人タイトル争いを競り合った。
目を引くのは攻撃指標。リーチ超人の異名そのまま、親のリーチの平均打点は恐るべき15,985点。和了れば満貫か跳満が確約されている驚異の数字である。トータルの平均打点も7,509点と高指標で攻撃は文句なし。
守備指標も優秀。放銃率は9%台と堅守、平均放銃点は4,547点でリーグトップ。振らずに降っても安い理想形を作り上げた。
得点源のドラも見事に生かす。平均ドラ使用枚数は1.58枚、裏ドラ的中率40%overで偶然要素の部分でも味方して総合では最高査定に評価した。

鈴木たろう選手:神をも阻んだ不完全燃焼。リーチの成功率の低迷に泣く。

【査定】攻撃D 守備D 加点効率C 運C 総合査定D

06鈴木レギュラー

2018シーズンのファイナルシリーズ個人王者が気合十分で臨んだ今シーズン、26戦7勝とトップ取りの要所を抑えたが2着を取り切れず。連対率がまさかの4割切りとなり個人▲125.6ptsの18位に終わった。
ベースとなる攻撃指標・守備指標を見ても不調ぶりが顕著。まず、単純な和了率が全体の下位グループとなる18.30%の21位、平均打点は中位に収まっているので原因はただ一つ「リーチ成功率」。積極的なリーチ攻勢も実らず成功率34.72%の26位に甘んじ攻撃力が半減した。
守備指標もパッとしない。放銃率11.67%はリーグ下位の21位、平均放銃点も6,027点で中位。主要指標で上位データがなく不完全燃焼となった。

丸山奏子選手:衝撃デビューの豪胆プリマドンナ。守備指標は良かったが攻撃の積極性は・・・

【査定】攻撃E 守備B 加点効率B 運B 総合査定D

07丸山レギュラー

(登板試合数が少なく全体的に評価データに乏しいため、他選手より採点精度は劣るが以下のとおり査定した。)
まず、攻撃指標。これは残念ながら全選手中ワーストの部類に入る。和了率16.30%は次項の守備意識の高まりだとしてもリーチ成功率が30%を切るのは流石に厳しい。全体統計で和了の50%を占める得点源のリーチの恩恵が得られないのはマイナス査定とせざるを得ない。
守備は指標上は優秀。あの不滅のMリーグレコード・近藤選手の74局連続無放銃記録が話題となったが、実は丸山選手も64局連続無放銃を記録しており、昨シーズンであればリーグレコード、現在では歴代2位の記録を持っている。
ただ単に攻撃を逃げ回っていたかと言えばそうでもない。流局聴牌率は50%と粘りを見せていることから、攻撃は実を結ばずとも相手のチャンスを潰したうえで聴牌を取り切ったシーンが多く、結果として押し返しが減り自身の放銃回数も少なくなったものと考えられる。
初戦を逆転倍満ツモでデビューしたが、2発目が不発。9試合トップなしの悔しさは来シーズンに返してもらいたい。小さな体に秘めたあの豪胆さは誰にも真似できない唯一無二の武器であるのだから。

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次回は、年間総合6位 TEAM 雷電のシーズンレビューをお届けいたします。