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#10.実際のユーザーたちとデザインを進める「コ・デザイン」という考え方

オーストラリアの消費者健康フォーラムのジャーナル「Health Voices」は、今年9月に開催されたバーチャルカンファレンスのレポートを公開。「コ・デザイン(Co-Design)」の手法について議論しました。

デザイナーなどの限られた専門家だけでなく、実際のユーザーやステークホルダーと積極的に加わりながら、協働でデザインを進めていくコ・デザイン。あらゆるサービスの起点が「作り手」ではなく「受け手」に移り始めた今、既存サービス・プロダクトの改善から、ガブテックなどの大規模なサービス設計まで幅広く活用されつつあります。

コ・デザインの実践には今のような方法があります。

・疑問から出発し、解決策をライトに考える
・コミュニティに参加する
・ピアツーピア(1対1)のリサーチを実施する
・プロトタイプを実際に使用してもらいながら進める

また、専門家がすべてを決定してしまうような中央集権型チームでは、コ・デザインの力を最大化することができないため、専門知識をどのように共有・活用するかもポイント。

公平で優れたコ・デザインを実現するためには、以下の点に注意する必要があります。

・ワーキンググループに白人、シスジェンダー、健常者のみを採用していないか
・形式的かつ、若者などが参加しづらい会議を運営していないか
・意思決定のプロセスや決定事項の報告を、長文の文書に頼っていないか
・既存のパターンに当てはめて課題解決するよう、参加者に求めていないか
・単発のイベントやワークショップで変化を期待していないか

コミュニティやネットワークの研究を行っているジューン・ホリー氏曰く「トランスフォーメーションは、私たちが何をするかだけではなく、誰とどのように行動・交流するかによってもたらされるもの」。

コ・デザインは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質的な意義とも関連深い手法といえるでしょう。

Reference:Health Voices
Top Photo:Ben Duchac on Unsplash

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