課題整理に組織改革... DXを理解・推進に役立つおすすめ書籍
デジタルトランスフォーメーション(DX)のプロフェッショナルをゲストに迎え、毎回ワンテーマでトークを繰り広げるMonstarlabの音声ライブシリーズ「みんなのDXプロジェクトルーム」。
社内調整をテーマにお届けしたvol.1・vol.2では、開催後に多くの意見・要望が寄せられた。
本記事では「DXの理解を深めるために役立つ書籍を教えてほしい」というリクエストに応え、番組に出演した株式会社モンスターラボ 執行役員 開発統括・宇野智之がおすすめ書籍を紹介する。
「現状の課題整理」のための1冊
──「みんなのDXプロジェクトルーム」vol.1・vol.2へのご出演、ありがとうございました。
宇野 実際にこのような企画に参加してみて、DXという漠然とした概念に対してたくさん悩んでいる方がいらっしゃるのだなと感じました。少しでも参考になるお話ができていたなら幸いです。
──アンケートでもまさに、DXの抽象度の高さから「そもそもの課題特定が難しい」という回答が複数寄せられました。そこから今回テーマとして扱った"社内調整"の問題が派生しているパターンが多いみたいですね。
宇野 そうですね。根底にはそのような悩みがあるのだと思います。
──今回はDX推進に役立つ本を教えていただきたいのですが、多くの企業がまず取り組むのは、やはり既存業務の課題整理だと思います。何かおすすめの本はありますか?
宇野 その観点だと『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』という本が参考になるのではないかと思います。
■書籍紹介
インターネットとスマホの普及によって、大きな変化を遂げた消費者・企業の購買行動。あらゆるビジネスにおいて、デジタル化の推進・新たなプロセスの構築は急務となっている。本書では営業・マーケティングの成長モデル、さらには市場戦略、人材・組織・リーダーシップまでを解説している。
宇野 この本では、セールスフォース・ドットコムの「The Model」についてふれています。
The Modelはマーケティング・セールス分野で注目されている概念で、集客から商談・クローズ、カスタマーサクセスに至るまでの各段階で情報を可視化・数値化し、部門を越えた連携を軸にして、売上増大を図っていくという考え方です。
「みんなのDXプロジェクトルーム」vol.1では、課題を特定するためには数値化(デジタイズ)が必要だというお話をさせていただきました。そのような課題整理、そして「マーケティング→インサイドセールス→営業(フィールドセールス)→カスタマーサクセス」という受注までのプロセスを分解して理解し、ビジネスのデジタル化を推進するのにとても役に立つ1冊だと思います。
「組織変革に取り組む」ための1冊
──vol.2では経営層・マネジメント層のお悩みをピックアップし、主体性あるチーム作りについてディスカッションしました。
宇野 DXを実現するには人材育成・組織変革が非常に重要ですから、有意義なテーマだったと思います。
──まさに「DXとは"人を育てていく"ことだ」という名言も飛び出しましたが、組織変革の観点でおすすめの本はありますか?
宇野 私が大きく影響を受けたのは、冨山和彦さんの書籍『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』です。
■書籍紹介
ベストセラー『コロナショック・サバイバル 日本企業復興計画』の続編。コロナ恐慌で日本企業が生き残るための方法、会社のあり方・働き方・生き方を説く。本書では、組織能力こそがDX成功の鍵とし、組織改革を意味するコーポレート・トランスフォーメーション(CX)の重要性を解説している。
宇野 vol.1でもお伝えしたことですが、極論を言ってしまえば、経営層が組織として「覚悟をもってDXをやるのだ!」とリーダーシップを発揮できなければ、どんなに現場担当者が優秀でも、DXを成功させるのは難しいと感じています。
DXと深い関係にあるCXの理解を深め、組織変革を実現する上での課題理解・仮説設定を行うにあって、とても参考になる書籍だと思います。
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