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伝書鳩パーティー

いつの頃からだろう。
毎年8月10日の鳩の日に、伝書鳩の飼い主たちは小屋の戸を開けて鳩を離すことが恒例になっていた。

鳩たちは、その日が来ると一斉に飛び立ち、どこかへ出かけた。

夜になると、ほとんどの鳩は戻ってくるが、たまに戻らない鳩もいた。
一方、見知らぬ鳩を連れて帰るものもいた。

鳩たちはどこへ行くのだろう。

鳩達は、ある町の大きな噴水がある広い公園に集まっていた。
そこで雄鳩達は盛んにプロポーズをし、雌の鳩達は、品定めをするように、お尻をフリフリ公園内を歩き回った。

実はこの日は伝書鳩のお見合いパーティーなのだ。

ある時飼い主の女性が、自分の鳩が戻って来なかった時のために、鳩の足に自分の連絡先を書いた紙をつけておいた。
鳩は、その日女性の元に戻って来なかった。
しかしその夜、ある男性から、あなたの鳩は、うちの鳩と共にこちらにおります、と連絡があった。
その後二人は結婚した。


噂は広まり、その後伝書鳩パーティーは飼い主達の縁結びの場ともなっていった。


本文ここまで 420文字(ちょっとオーバー)

これはたらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。
お題は「伝書鳩パーティー」

鳩は幸せを運ぶ。
鳩が運んでくれた縁は、きっといい縁だともいます。
しかし、鳩の糞害は、なかなか厄介なものです。
8月11日の、伝書鳩パーティーの公園の管理者さんの苦労をお察しします。

ちなみに、8月10日は鳩の日と、勝手に書いたのですが、実際にその日は鳩の日でした。

鎌倉の銘菓として有名な「鳩サブレー」を作っている株式会社豊島屋としまやさんが制定したそうです。

「とよしまや」じゃなくて「としまや」だったんだ!
知らなかった…

鳩サブレ美味しいですよね。
大好きです❤️


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