たっちゃんのピアノ【毎週ショートショートnote】
たっちゃんはその日、いとこのお姉ちゃんのうちで、初めてピアノを見た。
指で鍵盤を押すと
ポーン
と音がした。
いろんなところを押すと、いろんな音が出て、すごく楽しい。
いとこのお姉ちゃんが、これはピアノっていうのよ
と教えてくれた。
たっちゃんは、ピアノがとても気に入って、いつまでも指で鍵盤を押して遊んでいた。
しばらくして、たっちゃんはおばあちゃんの家に行った。
ママがおばあちゃんと話をしていると、たっちゃんがやってきて
ポポパポペ
ポポパポペって
と言ってきた。
ポポパポペってなあに?
ママが聞くと、
ピアノ、ピアノだよ
という。
おばあちゃんの家にピアノはない。
不思議に思ったママが
たっちゃんに手を引かれて行くと、
たっちゃんは、電話のプッシュホンを
ポポパポペと押して
ピアノ、ピアノ
と言っていた。
ママは、押して音が出るものはみんなピアノだと思ってるのね
と笑った。
その時、下に垂れ下がった受話器から、
もしもし?
もしもし‼︎
と叫ぶような声が聞こえた。
ここまで、本文410文字
これは、たらはかにさんの、
毎週ショートショートnote の企画に参加したものです。
今回は裏お題「ポポパポペピアノ」
♯毎週ショートnote
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